コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
自殺しようとした翌朝、俺は寝室のベットにいた。いつものように頭上にあったスマホで時間を確認すると、翌朝と言える時間ではなかった。俺は起き上がってリビングにのそのそと行くとそこにはハルの姿がいた。
「え、なんでいるの…?」
ていうかそもそも昨日あの後どうなったか全く覚えていない。ハルに止められた後、なんか話して……。俺の記憶はそこで終わっていた。
「あ、起きたんだ、おはよう。昨日ウリ突然気失っちゃって…。大丈夫?具合悪いとかない?」
ハルは心配そうにこちらの様子を伺った。大丈夫だけどさ…それより……
送ってくれたのはありがたいとしても、なんで家分かったんだ?俺教えてないけど
「…あーそれは……送っていったこと前にもあったからかなー…」
ハルは歯切れ悪そうに言った。そんなことあった?
俺は訝しんでいると、
「……それより…ご飯あるよ!ほらこんな時間まで寝てたんだしお腹すいてるんじゃない?」
「え、あぁ…まあ…」
「ほらほら座った」
リビングの低いテーブルに料理が置かれている。ハルは俺をそこに座らせてハルは反対側に座った。
どれも美味しそうに見えるが全部お腹に入るとは思わない。いつも食べるのがめんどくさくてコンビニで済ませていたツケが回ってきたな。
「無理しなくていいからね。」
俺は出来るだけ食べた。それでも残ってしまった。
「ごめん残した」
「全然大丈夫だよ、あとは俺が全部食べるから!」
そう自信満々にハルは言った。いや、別に食べなくても…とは思ったけどハルは男子高校生だから食欲あるかと思って言うのをやめた
俺はハルが残した料理を食べている間、俺は昨日分の風呂に入ることにした。
起きた後だからあんまり考えられなかったけど、風呂入らずに人前いたのえぐいな…。
風呂に入るのが嫌いだ。いつも見えなかった傷が見えるようになるから。たくさんのでこぼこした線が手首、腕へと広がっている。
ハルにはまだ何も話していない。今日話すつもりだ。
もし、怖がられたら、キモがられたら、嫌われたら。そう思うと吐き気がする。またあの子みたいになったら、俺はどうやって生きていけばいいんだろう。
でももし、ハルが俺を好きでいてくれたらハルが俺を信じていてくれたら、きっと。
「ハル。」
「どうかしたの?」
ハルはゆっくり振り向いた。
「あのさ…言いたいことがあるんだけど。」
ハルはびっくりした様子だけどすぐに聞く体制になった。
「俺ね、学生の時にいじめられてたんだ。」
「うん」
「小学校、3年生のときその頃親友だった子から突然嫌味を言われるようになって…
その時は何かイライラしたこととかあったのかなって思ってあんまり気にしてなかったんだけど。」
握り込んだ手に爪が食い込んで痛い。
「どんどんエスカレートしていって、その子とは親友じゃなくなっちゃった。
それが中学を卒業するときまで続いて…高校は俺が遠めのところだったから絡みは無くなったんだけど。」
「うん」
「高校もまともに行けなくなっちゃって、担任の先生が良い人だったからよかったんだけど……
ずっと怖かった。」
視界がぼやける。
「ずっと、裏切られたらどうしようって、嫌われたらどうしようって、もちろん良い人もいるって分かってる。分かってるけど疑っちゃうんだ、この人も裏切るかもって。」
「うん」
「…疑っちゃう俺が嫌いで、直したくても直せなくてイライラして腕切って…ごめんね。こんな人いやだよね、気持ち悪いよね」
「ウリ、あのね?」
怖い。ハルの優しい声が
「…え」
「俺はね多分ウリが引くほどウリのことが好きだよ。」
ハルは呆れたように言う。本当に嫌いにならないの…?
「ウリ、大丈夫だよ。俺が君を幸せにするから」