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「「おはよ〜!」」
生徒たちが挨拶を交わす。
いつもと変わらないはずの朝、最近は少し変化していた。愛の後を追いかけていたはずの陸の姿は見えない……。
「はぁ〜……」
溜息を吐きながら愛は音楽室に向かった。陸は先に行っていると思ったのだ。すると、廊下でピアノの音と馴染みのある歌声が聴こえた。愛はまさかと思ってドアを少し開け、中を見た。
「ッ…!」
いつもは自分が弾いているはずのピアノを弾く宙と、いつもは自分と歌っているはずの陸がそこにはいたのだ。
ズキン
(なんで……ッ、なんで宙がそこにいるのッ?そこはッッ俺と陸の、2人のセカイなのにッッ……)
ズキンズキン
ショックのあまり愛は無意識のまま教室へ向かった。
「おぉ五十嵐!ちょうど良かった、これ手伝ってくれな、い、、、か、、、五十嵐?大丈夫か?顔色悪いぞ……」
愛は廊下でたまたま会った青木先生におぶられ、保健室で休んでいた。
「……ッ、」
パチ
愛は頭痛と共に目を覚ます。少し耳鳴りがする。むくりと体を起こした愛はびっくりした。
陸が愛の手を握りながら寝ていたのだ。
「っわぁぁあぁぁ!」
愛は思わず叫んでしまった。
「…んだよっ!急に叫ぶなよッ!」
「あ…ごめん、。びっくりして///」
そう言いながら愛は文句あり気な陸から離れた。
ドキドキ
愛はさっきの気持ちは何なのか気づいた。
(これ、、陸に言った方がいいのか……、?でも、これを言ったら陸はどんな顔をする?ていうか陸に言って何か解決するか?……ッでも、でも!言わないと、、伝えないといけないッ!!)
パン
1人で葛藤した末愛は決心したのか、自分の頬を叩いた。陸はそれをみてギョッと驚いている。そんなことお構い無しに愛の口は開いた。
「陸ごめん!俺、多分嫉妬してたんだ、。朝の音楽室は俺にとって特別なところだから。俺と陸の2人の場所だと思ってたから……!」
恥ずかしい気持ちが抑えられず、愛は果実のように顔を真っ赤に染めた。
陸は状況が理解出来ないのか頭をポリポリかいた。そして、口を開いた。
「ごめん、、、。俺の方こそ、そんなこと考えずに、、宙に好かれることしか考えてなかった。愛は俺の大事な親友なのに……。ごめん!」
愛はそこまで想定してなかったため困惑しながら
また、照れながら陸の頭を撫でた。
「お互い様だね…///えっと、その、、これからも朝2人の時間作って貰えたり、、する?」
「当たり前じゃん!!」
愛のなかの何かが吹っ切れた。
はずだった、、、