硝子のようなカケラが、1枚落ちて、2枚目も落ちた。そこに、ヒビが入った。
時は3年前に遡る。
🦍「…はぁ…」
1人、溜息を吐いて、屋根の上に座っていた。
🍆「どーずーさんっ」
ぼんさんが飛行魔法でこちらに来て、背中を合わせて座ってきた。
ぼんさんの顔が見えなくて、少し怖くなる。
🦍「ぼんさん?どうしました…?」
🍆「…ちょっと大人の話」
さっきまでの声色と打って変わって、暗くなった。
🦍「どういう事ですかw」
明るく聞こえるように努める。まぁ無意味だけれど。
それでもぼんさんは、質問には答えなかった。
🍆「俺の話から良さそ?」
沈黙が起きたので、渋々小さく返事をした。
空には欠けた月のような三日月がぼんやりと浮かんでいた。
夜の肌寒くて冷たい空気が頬にまとわりつく。吐く息は白く、空は紺色だった。
🍆「…俺が丁度こんな天候の日に、川辺でずっと水を見つめていたんだ」
🍆「きっとあの頃の自分は、ぼんやりと死に惹かれていたのかもね。」
川の水面にきらきらと反射する月の光。
綺麗で、川に手を伸ばした。冷たくって、赤くなった指が水面から見えた。
🍆「そんな時、隣にドズさんが座ってくれて。空が綺麗だったなぁ。」
🍆「本当に…ドズルさんは人の事を放っておけないよね。」
🍆「いつもいつも、俺の事もおんりーとおらふくんの事も、menの事もそう。」
🦍「…みんなが泣いている所とか、見たくないし…」
🦍「これは俺のエゴだけれど、全員が幸せで笑顔じゃないと。」
🦍「…まぁ、僕も…独りぼっちだったんだけどね」
また沈黙。夜の静かな世界に戻される。
そっか。少し、安心した。
🍆「なんだ…ドズルさんも、俺と同じだったんだね。」
少し笑ってしまう。頬が緩んで、ふっ、と息が漏れる。
僕達は、お互いの良き理解者になったんだ。
欠けた2つのカケラは、2人の手で丁寧に戻され、紫色と赤色の花が添えられた。
額縁にはめられた脆い5つの硝子のようなカケラは、赤と紫と透明な3つのカケラ。
多分もう1話出せる
コメント
4件
( ゚д゚)ハッ! 浅間さんの名前の横に活動休止中って書いてないだと、⁉⁉ 嬉しすぎて心臓バックバク…… ドズぼんの物語、めちゃ良き……流石浅間さん…… 僕なんて絶賛スランプ中☆