あれは、冬の日だった。
大学の入試会場で私は人生で初めての
一目惚れをした。
私、藤宮愛奈は早稲田大学に通っている。
「おはよ。」
友人にそう声を掛けられた。
すかさず、私も「おはよ。」と返す。
今日は入学後初の授業の日。
実は、私には恋の相手がいる。
その人の名は、森次政裕。
入試の日、申し込み書を落とした
私を助けてくれた恩人である。
そんな彼とは、今、隣の席である。
授業が楽しみで仕方ない。
「あの、この前の藤宮さんですか?」
呼ばれた気がして振り返ったら、
恋の相手、森次さんがいた。
動揺を隠せず、もぞもぞしていたら、
「僕の名前は森次政裕。よろしくです。
となりの席なのでお願いします。」
そういった。
私は頷いた。
授業の始まりを知らせるチャイムが鳴り響く。
ついに、大学生活の幕を開けた。
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