貴方達は、先程の文章の様なものが書かれていないか怯えながら本を開く。
が、そこには普通の文章が書かれているだけで、分厚そう、
と貴方が思っていたその本にはたった3ページしか残ってなく、
残りは白紙、しかも文章も絵本程度の多さだった。
「ふぅん…案外見掛け倒しね、3ページ分読みましょうかね」
そうサクラが言ったので、貴方も目を通す
僕は此処に来た時、驚いた、何てったって、ここは完全密室部屋。
…と言う事は、誘拐?監禁?それにしては犯人が来ないおかしいな
よく分からない…でもこれは、小説のネタになる、良かった。
とにかく、脱出しよう…でも、本とペン…水だけで、どうすれば…?
まずはドア探しが最優先だ…帰れるといいんだが
1ページ目には、そう書かれていて、
貴方もサクラも同じ状況に陥った人の本、フィクションという感想を持つ
「…皮肉?それとも、何かしら、私達への娯楽として本を用意したのかしらね」
貴方は前者に肯定をし、さらに次のページをめくる
ここは何処だろう、うす暗いし…怖いから、とにかく文を書いて気を紛らわす
本、ペン、水、後…なんだろう、ドアが一つ、開かないっぽい、鍵も無いし
…力付くで体当たりしたら、開いちゃった
でも、開けても新しい部屋があるだけ…食料が出てきただけ、マシかな
新しい部屋に、ドアが無いけど、何処にあるんだろう…?
2ページ目、貴方達は少し押し黙って
「…これ、って…ただの本よね、ミステリー…とかの類かしら」
サクラが不安気に呟く、そうだと思う、と言いつつも、
貴方も不安が押し寄せるだろう
「…最後、めくりましょうか」
目が覚めたら、こんな所だ、全く…俺はそんな暇ねぇ、ってのに
…暫く帰れそうにないから、いや、帰れなかったから、書き残しておく。
まず、ドアは体当たりで開く、見掛け倒しだ、あのドアは、
次の部屋に行くと調理器具と食料がある、後コンロに紙、?食器はねぇ
もう一つの部屋は、体当たりで開くのかは分からねぇ、けど…
次の部屋に、あんな物があるな
文章はここで途切れていた。
貴方もサクラも、もう気付いているだろう
この文は、ここに来ていた人のものだ、と、
そしてこの文を見るに、人が新しくなる事に、新しい人が書いている
と言う感想を、貴方は持っただろう
次の部屋には何かあるのだろうか?
「体当たり、しましょうか」
貴方はそれに頷き、どっちのドアが開くのかな、と聞いてみる
「…そうね、二人がかりじゃなきゃ無理そうだし…一つずつ試しましょ」
貴方はその提案に頷き、一方の扉に近付いた_