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「君、待って!」
銀髪の少女が叫ぶ
どうやら、小柄なフードの子供を追っているようだ…
「ちょっと…待って…」
余りの速さに追い付けないでいるようだ…
フードの子供がこちらを振り返る
「ッ…」
「また…黒髪黒眼」
この国の大部分は黒髪黒眼だ
なので、町の中に紛れ込まれると探すのが
厄介になる
黒髪の子供はそのまま森の奥へ逃げ去っていった
「あんな子も働かないと駄目なんだ…」
銀髪の少女は絶望の顔を浮かべていた
‹ピッ›「こちら、鯛…撒いた」
‹ピッ›「こちら、ラムネ…了解、引き続き警戒」
‹ピッ›「こちら、グレフル…南副隊長確認」
‹ピッ›「こちら、ラムネ…了解、撤退許可」
‹ピッ›「こちら、グレフル…了解」
‹ピッ›「こちら、生姜…至急人員確保」
‹ピッ›「こちら、ラムネ…了解、鯛許可」
‹ピッ›「こちら、鯛…了解」
木の上で少女は笑っていた
木の上で少年は焦りの顔を浮かべている
なぜなら、下には魔竜騎士隊が目を光らせているからだ
(副隊長までいるとは…誤算だったな)
沈痛な面持ちでいると背中に何かが触れたような気がした
振り返るとフードをおろした少女が手を振っていた
少年は少女の元へ向かった
「コソッ 行けるか?あの数」
「コソッ 大丈夫、後…これ生け捕りリスト」
「コソッ うん?」
「コソッ ラムネ君から」
「コソッ …了解」
少年はそれを見て一層顔が険しくなった
「コソッ それじゃ、行ってくるね」
「コソッ いってらっしゃい」
少女はフードを被り下へ降りていった
「何者だ!」
「…」
「捕らえろ!」
少女は素早く、兎のように跳んでいる
少年は紫髪の少女を注意視している
ところがフードの少女が捕まってしまった
「!?」
少女は抵抗している
少年は覚悟を決めた表情をした
‹ピッ›「ラムネ!…副隊長を捕まえる!」
その声で隊員はこちらに目を向けた
反応は無かった
少年が目を瞑った瞬間
それに続いて声が聞こえた
「魔術師が現れた!」
少年はどさくさに紛れて少女を奪い返した
隊員は紫髪の少女に聞いた
「捕まえますか?」
「いや、後にしろ…先にしなければならないことがある」
「ラムネ…」
「さぁ、収穫しよう」
「うん!」