「、ん”?」
窓から差し込む光で俺は目を覚ました。まだ少し薄暗い部屋には明る過ぎるくらいの光だった。
「、あ“」
声を出そうとすると、喉に走る痛み。
「ッ、痛”っ、」
昨夜沢山泣いたせいか声が枯れ、喉が痛い。目も痛いし、どうやら腫れてしまっている様だ。もうどうしようもない。今日学校なのにな、。
「、冷や“せば何とか“なるかな、?」
時間を見ると、まだ短い針が5を指している所だった。、時間はあるな、。俺は制服に着替え、階段を降りる。下に降りると台所に向かい、保冷剤、水を手に取りソファに腰掛ける。水をゆっくりと飲み、目元にハンカチで包んだ保冷剤を当てる。
「ぁ、んあ”ー、あ“っ、ぅあー」
喉に手を当てながら、声を出す練習をする。先程まで枯れた声が少しばかりマシになった様だ。良かった、これでいつも通りッ、。
「笑えるよねッ、笑」
、、
、休み時間に突然、まろに呼び出しをされた。屋上に来て欲しいと。俺は何故呼ばれたのかよく分からないまま言われた場所屋上まで走った。
屋上の扉を開くと、まず視界に入る、まろが女の子と一緒に話している姿。
「まろ、?」
目の前で起こっている状況を飲み込めないでいると
「!、ないこ。良かった来てくれたんや!」
まろが俺に気が付き手招きをしてきた。
「ないこ、紹介するな。この子が俺の彼女の飽海」
そう言い、彼女の手を繋ぎ心底愛おしそうに彼女を見つめるまろ。その彼女は艶やかな長い髪でポニーテールをした女の子で、とても可愛らしくて、俺とは正反対でまろにお似合いの”女の子“だった。
「、ッそうなんだ。素敵な彼女さんだね笑」
顔に笑みを貼り付け、言葉に詰まりながらもお祝いの言葉をまろに告げる。
「、ないこならそう言ってくれると思っとった!ありがと!」
嬉しそうに笑い、彼女を愛おしそうに見るまろ。それを見るだけで胸が苦しくなる。俺は今上手く笑えてるのかな、?自分で自分の感情が分からない。
「あ、俺そろそろ生徒会の仕事行かなあかんわ。まだ休み時間終わるまで時間あるし、2人で話しといて!」
まろはそう言って、屋上に俺と彼女を残し出て行ってしまった。
「、、、」
「、、、」
まろが居なくなったからか緊張しているのか黙り込む彼女。、何話せば良いんだろ。、とにかく話しかけないと。俺があの、と声をかけようとすると同時に彼女が口を開いた。
「、あんたifくんの事好きなんでしょ?」
「えっ、?」
「バレバレなんだけどwもっと上手く隠せないわけ?見てるだけで不愉快なんだけど」
先程の柔らかい雰囲気とは一変するまろの彼女。
「大体、あんた男なのに男が男好きとか気持ち悪いんだけど、ifくんと一緒居ないでくれる?移るから」
そう言われると同時に、彼女に勢いよく突き飛ばされ壁に俺の体が打ち付けられる。
「ッ痛っ、!」
体に激痛が走り、思わず顔が歪む。
「弱っwお前みたいな奴なんてifくんの前から消えろよw」
彼女は俺を罵倒しながら、倒れ込んだ俺を足で踏み付けたり、蹴ったりと様々な痛みを与えてくる。
「ぅ“、ッ、やめてッ、」
怖い、痛い。ひたすら感じる痛みに涙が出てくる。
「、何泣いてんのよ。はぁ、なんか一気に萎えたわ。まぁ、これに懲りてもうifくんには近付かないでよね」
心底気持ち悪いといった様子で俺を見て、彼女は屋上から去っていった。チャイムの音が校内に鳴り響き、休み時間の終わりを告げる。、急がなきゃ、授業が、。ふらふらと安定しない足取りで屋上の扉を開ける。
「え、り、りうら?」
扉を開けると其処には自分の後輩であるりうらが立っていた。どうしてこんな所に、?俺が呆然としていると
「、ないくん、?どうしたの?、、泣いたの?」
りうらに質問を投げかけられる。
「ッ、ううん、何でもないよ笑」
自分の頬を濡らしていた涙を制服の裾で拭き取り、りうらに笑いかける。
「、ないくん、何で嘘付くの?我慢しないでよッ、何でもない人は、そんなに辛そうな顔しないよッ」
りうらは泣きそうな顔でそう言って俺を優しく抱きしめる。ふわっ、と漂う花の香りに体に広がる温もり。りうらの優しさで涙が目から溢れ出てきてしまう。
「ッ、うぁッ、ヒグッ、俺、俺ッ、」
「、ッ大丈夫、大丈夫だよ。ないくん」
訳も分からないだろうに、ただ、ただ、泣きじゃくる俺を宥めながらもう一度優しく抱き締めてくれるりうら。俺はりうらの優しさに縋りながら涙を流し続けた。
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