「…俺、桜のこと好きなんだよねぇ、付き合って欲しい。」
「…っはぁ?!///」
一週間前、俺と十亀は晴れてこ、恋人になることができた。十亀が俺の事をあんな目で見てくるから、俺の恋愛センサー?が反応して、それから俺が十亀のことを好きになるのは早くて。きっと、前からす、好きとかだったかも。
今日はあいつと恋人になってから初めて出かける。「じゃあデートしよう」と、チャットで言われた。正直嬉しかったし、でもで、デートなんて初めてだから不安もあって、いろいろ考えて。
そして昨日よく寝れなくて
寝坊した…
(蘇芳や楡井に服とか事前に聞いといて良かった)
そう思いながら、いつもの見慣れた道を走り抜ける。
「十亀っ」
そう言おうとした口は、寸前で閉じた。
「え〜、お兄さんかっこいい〜、一緒に遊ぼーよ 」
待ち合わせ場所にいたのは、十亀をそういう目で見る女数人と、素っ気ない態度の十亀だった。
「結構前から待ってるじゃん、来るまでカフェでお茶しよ〜よ」
数人のうち1人がそう言い、十亀の腕を組んだ。それで、見ていられなくなって、俺は気づくと走り出していた。
「…十亀っ」
十亀の隣に行き、名前を呼ぶとバッとこちらを振り向きいつもの、口元が緩みきっている顔を向けた。
「桜、良かったぁ来てくれて、じゃあ行こ〜」
腕を組んだ女を振り払い、一緒に歩き始めた。でも、その数人も黙っていなくて、
「えっ、ちょっと待ってよ!じゃあもう2人でいいからさ〜」
何度も引き止める女達を、十亀もしつこつ思ったらしく、出会った初めの時のような、鋭い視線を向け
「はぁ、これ以上俺たちの邪魔しないでくれる?これからデートなんだよ。」
そんな態度にやはり怖気付いたらしく、それ以上何も言っては来なかった。
2人で並んで歩いてる時、
「はぁ、ごめんねぇ桜、情けないとこ見せちゃった。初めてのデートだから、楽しみで、邪魔されたのが嫌でぇ… 」
俺たちの初めてのデート、嬉しいのは俺だけじゃなかった、こいつも嬉しかったんだ、と分かり、途端に心臓がバクバクして、それでも鼓動が心地よくて。
「別に…俺も、た、楽しみだった…」
そう言い、小っ恥ずかしくて顔に少し熱が集まる。咄嗟に顔を背け、十亀の返事を待った。でも、何も言ってこなくて、何か変なことを言っただろうか、と不安になった。
恐る恐る十亀の方を見ると、そこには顔を真っ赤にして、口角が緩みに緩みきっている十亀の姿があった。
「なっ!なんでお前まで赤くなってんだよ?!///」
「だってぇ、それはずるいでしょ…///」
十亀が耐えきれなくなったように手で顔を隠す。
見てるとなんだか、こっちまで余計に恥ずかしくなって、でも2人で同じ気持ちで今日を待っていたことが嬉しく思った。
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