TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
鯨人BL(旧版外、沙也加だけ)

一覧ページ

「鯨人BL(旧版外、沙也加だけ)」のメインビジュアル

鯨人BL(旧版外、沙也加だけ)

2 - 沙也加 ni×is 両片思い

♥

38

2024年08月16日

シェアするシェアする
報告する

沙也加ni×沙也加is

未婚設定









side新山

俺たちさや香は芸能界一の不仲コンビとして名が知られている。

さや香といえば不仲。

そのようなイメージが世間に浸透してしまっている。

俺自身は相方の石井のことが嫌いかと言われればそうではない。

なんなら好きまである。

俺は石井と仲良くしたいが、石井は俺のことが嫌いなのかネタ合わせにも消極的だ。

俺が話しかけても

「新山の好きにすればええんちゃう」

と、そのような言葉が返ってくる。

そんな石井にイライラしている自分もいるのが嫌だ。

漫才中にもお互い目が合わず、いつの間にか望んでいないのに不仲イメージが定着してしまった。

まぁ、石井が望んでいるんやったら全然良いんやけど…。







side石井

俺らは仲が悪い。

そう世間で言われている。

しかし、俺は新山のことが嫌いって訳では無い。

むしろ好きすぎて辛いほどに新山のことを愛してる。

だが、そんなことを新山に言える訳もなくこの気持ちを隠してきた。

こんな気持ちが新山に知られてしまったらもうコンビとして、芸人としてやっていけないかもしれない。

新山に解散を切り出されるくらいなら新山に嫌われてしまった方がマシ。

そう思い、何年か前から新山に対して冷たく接している。


ni「石井ー?このネタなんやけど…」

is「あ?そんくらい自分で考えろや。ネタ考えてんのは新山やろ」

is「新山の好きにすればええやん」


ni「…チッ…あぁ分かった…」


このようなやりとりを続けてきたらそら新山に嫌われる、当たり前のこと。

だが、、辛い、辛すぎてもう仕事にも来たくない。

仕事だったらほぼ確で新山に会ってしまうから 。

もう嫌になってきたな、、

こんな思いするくらいやったら、、、、




side新山

最近石井の様子がおかしい。

何故か前よりも俺への態度が冷たい。

元々といえば元々なのだが、流石にこれは何かあったと思わざるをえない。


ni「石井ー?」

is「…………………………」



なんやねんコイツ

無視かい



ni「おいっっ!!!石井!」

is「ビクッ」

石井はビクリと肩を震わせるとゆっくりと振り返った。


is「…なんや、新山か……… 」

is「なんの用や…?」

俺は石井の顔を見て驚いた。

なぜなら

ni「おまっ…どうしたんその顔………」


石井の顔は死ぬんじゃないかっていうレベルでやつれていた。

is「人の顔見てどうしたん言うの失礼なんちゃう」


ni「いやいや…そんなこといってるんやなくて…… 」

石井は何か考える素振りを見せてから、ゆっくりと口を開いた。


is「新山…?俺ら解散しよか」







ni「………………………は?」


頭が真っ白になった。

不仲なのはお互い当たり前のことだったが、やはりそれがよくなかったのか。

石井の発言に俺は驚きを隠せなかった。


ni「なに言ってるん……」

is「はっ…お前こそ俺がいない方がやりやすいやろ」


is「俺なんて居なくてもお前はおもろいんやから」

is「もうお笑いすんのつかれたんよ」

is「だから新山…解散しよ」


そんなこと楽屋で話すことではないということは分かってはいるため、

石井の言葉に返事をすることなく言った。



ni「お前、今日俺ん家来いよ」


is「は…何言ってんの」

ni「ええから」


is「………分かった…」



side石井


新山に家に誘われた。

まぁ、解散の話をするんやろうけど、、

流石に楽屋でする話やなかったもんな。


でも何で新山の家なん。

居酒屋とかでも良かったやん。


ホンマ意味わからん。

新山の家なんか行きたないわ。

何のために解散切り出したと思ってんねん。


諦めようと思ったのに……

新山の家に行ってしまうと離れられなくなってしまう気がして、


だからホンマは行きたくない。

でも、新山に会うのも最後になるかもしれへんし、そう思って今日の分の収録を終えた。





ni「っし!終わった」

ni「石井!帰るで! 」

仕事が終わった瞬間に腕をつかまれて、車まで引っ張られた。


is「ちょちょちょ!おいっ!新山!」

is「引っ張んな!」


そう言っても新山は何も言わず、新山の車に乗せられた。



is「………………………………」

ni「………………………………」

車ん中では気まずすぎるほどの無言状態。

運転している新山をチラッと横目で見ると、まぁ強すぎる顔面が

メガネをかけている新山は普段と違って何故かドキドキする。

なんかすごい顔面が熱くなっていくのを感じて、すぐに窓の外に目を向ける。

よくよく考えてみれば、新山の家に行ったことなかったな。

今日が最初で最後の新山の家。

そう思うとどうしてだか悲しくなってきた。

涙が溢れそうになるのを堪えて

新山にバレないように俺は寝たフリをした。



ni「……ぃ………しい」

ni「石井!着いたで!」


バカでかい声が耳のすぐそこで聞こえ、飛び起きた。

is「…ったく……なんやねん」

is「わざわざデカイ声出さんくても……」


てか寝たフリしてたのにいつの間にかちゃんと寝てたんやな俺。


ni「それは石井が起きへんからやろ」

そうやけども……



ni「まぁええか。ほら入れよ」


is「っおう………」


初めて入った新山の家は思っていたより綺麗で驚いた。

ni「何突っ立っとんねん、はよ座り。」


そう言い新山は俺を椅子に座るよう促した。

机の上にはたくさんのお酒。

どうやら解散の話をしながら飲むようだ。




ni「…で、何で石井は俺と解散したいん?」


ほらな、やっぱりこの話しやった。

逆にこの話じゃなかったら何やねんって話しやけど…w


is「昼言うたやん。そのまんまやで。」

ni「そんなん納得できひん。」


そんなこと言われても

is「もう決めたことやねん、もう引き返すことはできないから 」

ni「なんでなん、なんで引き返すことできひんの。」

is「そんなん俺がもう決めたからや。」

ni「その決めたことを変えることはできひんの。」

何言っとるんやコイツは。

is「無理。もう俺はお笑いから手を引くって決めたんや。」

ni「なんでお笑いから手を引くん。」

さっきから俺の言ったことに対してずっと質問してくる。

それに頑張って答えてんのにコイツは全然質問を辞めてくれへん。


is「…っ!」

ni「なぁ、なんでなん」

is「そんなんッお笑いが嫌いになった以外に何があんねんッ…! 」

ni「ふーん……そっか」


納得されてしまった。

自分勝手だが、もう少しだけ引き止めて欲しいと思った。


ホントに新山は俺のことが嫌いやったんや。



ni「ホンマにそれだけ?」

is「……は?」


ni「ホンマにそれだけなん?」


is「………………そうや……?」


ni「なんなん…wその間は」

ni「なんかあるんとちゃう」



何で新山はそんなにしつこく聞いてくんねん。

もう分かったやろ。俺のことそんな信用できひんの。

嫌いなんやったらさっさと帰らせてくれ。


ni「……じゃあ、何で泣いてるん」


is「……………………は?」


ni「いや…は?じゃなくて、何で泣いてんのか聞いてるんやけど」


俺が泣いてる?んなわけないやん。

もう俺の中で決めたことやし。

is「泣いてなんか…」


ni「いやいい加減認めてや」

ni「なぁ、ホンマにどうしたん?」

ni「なんか悩みでもあるんか?それともホンマに俺のことが、お笑いのことが嫌いなだけか?」


そんな訳っ!

is「ハッ、そうや?お笑いのことも嫌いやし、お前のことはもっと嫌いや!」


is「もう顔も見たくないからなッ!解散してッ顔見んくなるからせいせいするわ!グスッ 」

is「…………………ぁ」

あぁ、言ってしまった。本人の前で

1番言ってはいけないこと、1番言いたくなかったことを言ってしまった。

終わったな。さや香も今日で解散やな。

新山はこちらをジッと見つめている。

怒っているのかなんなのか、

ni「…………そうかよ」

is「ッ!じゃぁッ俺は帰るな。今までありがとグスッ」


そう言って俺は椅子から立ち上がった。


もう会うこともないやろな…。

アカン……涙出てきそ……



ガシッ


is「…………………………ぇ?」


腕がつかまれ、振り返ると


今まで見たことないくらい悲しい顔した新山がいた。

ni「………………………なん」


is「…え?」

ni「…何で俺に何の相談もなしに解散とか言うん」

ni「俺はしたくないって思ってるんやけど」

is「だから、俺はッ」

ni「石井は解散したいんやろ?もしホンマにそうなら、もう止めへんけど。」

ni「俺には石井が必要なんや。」


ni「石井がいないと、M-1も決勝まで行けてないし、冠番組だって出れてなかった。 」

ni「でも、それもこれも全部石井がいてくれたからなんや」

ni「ありがと石井。今まで……。」






普段なら絶対新山が言わないセリフを一生懸命伝えてくれた。

それがうれしくて


is「…グスッグス、ぅ………グスッ」


ni「何泣いてんの……w」


ni「ったく…w石井」


is「……………ん」



ni「好きやで」



is「へ……………?」



驚いて顔を上げると今にも涙が出そうな新山が。


is「好き…………?」


ni「最後やしな。最後くらいいいやろ。」

ni「まぁ大っ嫌いなヤツに言われてもって話しやけど」



is「で…でも、そんな素振り無かったやん。」

is「俺のこと嫌いなんやろ……」

is「そんな嘘つくなや………グスッ」



ni「はぁ…………お前俺が嘘で告白するタイプのヤツやと思っとるん?」



新山は溜息をつき、怒っているのか俺の方を睨んでいた。


is「…ぃや…そんなん思ッてなぃけど…………」


ni「まぁ、告白はホンマやからな。 」

ni「はぁー………………こんなんなるんやったらお前に冷たくせんけりゃ良かったわ」


is「……………………………」

頭がこんがらがりそうだ。

どういうこと…?新山が?俺を?

んな訳…。いやでも新山はこういう時に嘘をつくタイプやないし…。


is「おれ………、解散したなぃ……………グスッ………」


消え入りそうな声で呟いた。

ni「………………!?」

ni「ちょッ……………!どういうことや……」



ni「お前、俺のことが、お笑いが嫌いやから解散言うたやん…か… 」

やっぱ新山は俺のこと嫌いなんや。

解散したいんやろ。

はぁ…ネガティブ思考どうにかしたいわ…。

もうこの際やし、言ってしまおう。

やらない後悔よりやって後悔や。

is「ぉれも…、俺も新山のこと好きやねん……………」


ni「…………………………………」

チラッ


is「…ぇ…………ぁ…………………」


思わず漏れてしまった声。

ni「~~~~~~~/////言うなやッ!//」


見たことないくらい真っ赤な新山の顔。

ni「俺ら両思いやったん…?」


is「そう…なるん……………かな………………/////」




ni「良ければやけど………付き合って欲しい!」



is「…………………良いに決まっとるやろ…グス」


パァァァァと表情を輝かせる新山。

なんか今まで悩んでたことが馬鹿らしくて、、情けなくて、でも嬉しくて、

色んな感情がごちゃごちゃなってるせいで、俺の目の端から涙がこぼれた。

なんか、今日泣いてばっかやな…………w


ni「石井ー!!」


ギュッ

is「ぉわ!?」


ni「良かった…俺ずっと好きやったんやで?」

ni「解散なんて言われて死ぬ思たわ」


is「死ぬなんて大袈裟やろ…w」

ni「なぁ、さや香は解散しないよな」


is「俺も解散したない…………」

ni「!じゃぁ、さや香はこのまま活動し続けるってことやんな!?」


is「新山が良ければ……………」



ni「良かったー………ホンマに石井に会えへんの想像しただけで辛いもんな」


is「そう言ってくれんのは嬉しいけど…w」


ni「絶対、後悔させへんから」

ni「覚悟しとき ニヤ」


is「~~~~~~~~~ッ//////!?!?////」


ni「え、顔あっか!!」

is「ぅ…//ズルすぎやろ……//」


ずるいわ、ズルすぎる、

あんなカッコイイ顔でそんなイケメン発言されたらそらこうなるやろ


ni「まぁ、これからもよろしくな石井!」

ni「コンビとしても、恋人としても!」


is「よろしくな………新山」



変な馴れ初めやったけど、まぁこんくらいがさや香には丁度いいかもしれへんな。



テレビではあえて不仲を演じてるんやで。

少しでも気を抜くとすぐ顔に出てしまうらしいからな2人とも。

どんな顔かって?


それはな…?

お互いのこと好きすぎるって顔。




終わったー!

どうでしたかね?馴れ初め話好きなんですけど、書くとなると難しいですね…。

じゃ、また!

この作品はいかがでしたか?

38

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚