彼は甘い。
ただ、世間で言う「 甘い 」なんかじゃない。
彼は美しい。
ただ、世間で言う「 美しい 」なんかじゃない。
では、何が違うのか。
彼は、「甘さ」と「美しさ」の中に
鋭い「 苦み 」がある。
彼は普段から甘く口付けをし、
俺が嫌というほど甘やかし、
甘ったるく囁く。
それに加え、これ以上とない美しさが伴う。
だが、彼は時々不敵に笑い、挑発してくる。
俺の乱れた顔、身体を愛おしそうに眺めるのだ。
そんな彼は、
「 天使 」の顔をした「 悪魔 」の様。
でも、俺は彼が大好きだ。
依存しそうな程に愛している。
「ねぇ、康二。」
『ん、、なに、めめ。』
「可愛い。」
『…いっつもそればっかり。』
「本当に可愛いんだから仕方ないでしょ。」
いつもの様に可愛いを連呼する彼。
でもほら、俺を撫でる手がもういやらしい。
純粋そうに見つめてくるけど、絶対エロい目で見てる。
「可愛い康二。食べちゃいたい。」
やっぱり。
逆に一回でも純粋な目で見たことがあっただろうか。
『…この変態、』
「で、食べてもいいよね?」
めめの眼球がギラついてる。
これが所謂獲物を捕らえる猛獣の目だ。
こうなってしまえばもう逃げられない
だから、俺も負けじと甘え声と上目遣いでめめに唇を近づける
『めめ、、食べてや…』
と、彼にすりよると、
きょとんとした態度で俺を見つめた。
何だよ、いっつも無理矢理襲ってくるくせに。
「…お前、後悔しても知らねえかんな」
そう言うと、彼は俺の唇を貪る様に食む。
そして、勢いよく俺を押し倒す。
幸せ。
今日も俺はこの「 甘美な悪魔 」に愛され、
喰われるんだ。
end.
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