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二次創作です。
ご本人様には関係ありません。
某実況者様のお名前をお借りしています。
誤字脱字等あるかもしれませんが、
温かい目で見守ってくだされば幸いです。
尚、ご指摘等は程々に宜しくお願いします。
何で何で何で…あれは誰?みどりじゃない。
でも、笑い方も声も全部同じだった。
でも、どこか違う。
みどりを追いかけて来た道を戻ると、みどりちゃんがみどりと向かい合っていた。
壁には血や肉片がこびり付いていて、生臭い匂いが辺りに充満している。
「もう、大丈夫、誰も、傷付いてない!!」
「…」
「お、落ち着いて!!抑えてっ!!」
そう言って必死にみどりを宥めるみどりちゃんの顔には明確な焦りが見えた。
みどりはこてりと首を傾げると、次の瞬間みどりちゃんが持っていた双剣を奪った。
バキバキと大きな双剣が砕けて、中から細身の双剣が現れた。
剣を構えたみどりの瞳はどろりと沈んだ蘇芳色に光っていた。
「きゃぁっ…!!」
みどりちゃんを俺達に向かって蹴り飛ばす。
「流石にヤバいよらっだぁ!」
蹴り飛ばされたみどりちゃんを受け止めたレウが焦った声を上げる。
どうしよう、考えがまとまらない。
みどりを殺してでも止めればみんな助かる。
でもみどりを殺したくはない。
選べない…俺には、選べない…!!
ぐるぐると考えて動けないでいると、きょーさんが輝く弓を取り出した。
「悪いなどりみ。俺はっ…仲間を守りたいんや……っ」
「待って…殺さないで……きょーさんっ」
目に涙を浮かべて弓に矢をつがえるきょーさんと、それを泣きながら止めるコンちゃんをまたみどりが、ぴくりと動きを止めた。
構えていた剣をゆるゆると下ろし、 悲しそうに俯いたと思えば、ナンデ…と小さく呟くみどり。
「…ぇ?」
「ナンデナイテルノ?ワルイヤツハ ミンナヤッツケタノニ……ドウシテ?」
「お、俺達は…みどりに、元に戻って欲しいっ…みんなで帰りたい!!」
「俺は、どりみを殺したくないっ。だって、どりみやって…仲間やろ……?」
「みどりくん、帰ろうよ…みんなで一緒に帰ろうよぉっ…」
「みんな待ってるんだよ…みっどぉ…早く戻ってきて……?」
剣を取り落とし、俯けた顔をあげたみどりの瞳の片方が蘇芳色に、もう片方が翡翠色に光っていた。
みどりはぼろぼろ泣きじゃくりながら叫んだ。
「オサエカタガ、ワカンナィッ……コワイ、タスケテッ…」
その瞬間、俺達は弾かれたように走って、華奢な体をぎゅっと抱きしめた。
「大丈夫、大丈夫だよっ…」
「ハナセッ…」
「矢…向けてごめん、ごめんな…」
「ハナセェ…」
「泣かないで、俺達がいるよ…」
「ハナセッテバァ…」
「みんな泣いてないよ、怖くないよ…」
みんなしてぼろぼろ泣いて、みどりが嫌がっても抱きしめ続けた。
「フッ…グスッ、ウッ……」
涙を流すみどりの両の瞳は元の透き通った翡翠色に戻っている。
血だらけの手で涙を拭うみどりの手を退けて、自分のカーディガンの裾で優しく涙を拭き取る。
「帰ろっか…!」
「カエ、ルッ…グスッ…」
「さっさと帰るかぁ…!!」
「帰ろぉー…!!」
「みんなで帰ろぉ〜」
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みんなで手を取り合って立ち上がり、出口を目指して歩く。
いつかの日のように、隣では仲間が優しく笑っていた。
それぞれのために生きてた。
俺が生きる意味はらだおくん達を守るだけじゃだめだ。
自分も守らなきゃみんなが悲しむ。
俺は、五色のためにこの命を使おう。
これからも、ずっと。
いつもありがとう。