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side宇賀神玲
「綾乃、好きです…」
「先生…」
「玲…
玲って呼んで下さい。」
「れ、玲…?」
「そう、それで良いです。」
僕が甘いキスを彼女に降らせようとした時…
「キャーーーーーーーーーーー!!!」
悲鳴が聞こえてきました。
は…?
いや、水道管が破裂したか何かでしょ…?
「せ、先生、悲鳴がっ…!」
「聞こえません!
なーんにも、聞こえません!!!」
「なに子供みたいなこと言ってるんですか!?
事件ですよ!」
What!?
だから、何なんですか!?
事件?
それって食べられるんですか!?
ねぇ、綾乃!
初エッチなんですよ!!!
「ちょ、先生どいて下さい!
隣の部屋です!」
綾乃は僕を跳ね除けて上着を羽織り隣の部屋に向かいました。
うそ…でしょ…う…?
僕たちの…
初めてが…
僕と綾乃には事件の疫病神でも付いてるんですかぁーーーー!?!?!?
僕は綾乃の温もりのまだあるベッドに仰向けになりました。
どうやら、事件を解決しないと、初エッチは出来なさそうです。
はぁぁぁあ…
僕は腹を括りました。
ジャケットを羽織り、隣の部屋に向かいます。
「弁護士の宇賀神です。
どうしたんですか?」
「お父様が…
し、し、死んで…!?」
確かピアノを弾いていた相根美佳さんですね。
お父様、ということは、|東雲一郎《しののめいちろう》さんが亡くなっている、という事でしょうか?
僕は室内に入ります。
東雲一郎氏は頭を拳銃で貫き、即死でした。
東雲氏の右手は拳銃を持ったまま硬直し始めていました。
確か東雲一郎氏は後で夕食を食べるといって、食堂には来なかったんですよね?
その間に自殺した…?
いえ、まだ、自殺と決めつけるのは早いでしょうか?
「落ち着いてください、みなさん。
警察と救急には通報しましたね?
皆さんは各部屋にお戻りください。
部屋に鍵をかけて警察が来るまでは出ないように。」
僕は言います。
「僕たちも一旦部屋に戻りましょう。」
「はい。」
僕も綾乃と部屋に戻りました。
「自殺…でしょうか…?」
「うーん、どうですかね?
状況的には自殺にも見えますが…」
僕は言います。
そして、間も無くして警察がやってきました。
「やぁ、あなた方は弁護士先生だとお聞きしましたが?
あぁ、失礼。
私は|貝塚守《かいづかまもる》。
警部です。」
「初めまして。
東京の黒川法律事務所の宇賀神と姫川です。」
僕は貝塚さんと握手を交わしました。
「まぁ、詳しいことは明日にならないと分からないでしょうけどね。
パソコンには遺書が入っていましたから、自殺ですかな?」
貝塚警部が言います。
「遺書が?」
「えぇ、明日データのコピーをお渡ししますよ。
現場には不用意に近づいて触らないでください。
まぁ、弁護士先生ならお分かりでしょうが…
念の為です。」