薄暗いバーのカウンター。カラン、と氷の音が響く。ライアはグラスを回しながら、向かいに座る日哉をじっと見ていた。
「なぁ日哉。俺たちって、最高のコンビだと思わねぇ?」
日哉は無言で酒をあおる。
「お前が真面目にやって、俺がかき乱す。最高のバランスじゃねぇか?」
ライアはニヤつく。「なのにさぁ、なんでお前、そんなに俺を嫌うんだ?」
日哉はゆっくりグラスを置き、タレ目の奥から鋭い光を放つ。
「ふざけてるからだよ。」
「ふざけてなんかねぇよ。俺はいつだって真剣。」ライアは注射器を絡める。
「お前みたいに真面目一辺倒じゃ、つまんねぇだろ?」
「だからお前は三流なんだ。」日哉は低く呟く。「仕留めるのにどれだけかかってる?」
ライアの笑みが消える。
「……お前、俺にケンカ売ってんのか?」
「最初からそのつもりだよ。」
次の瞬間、ライアの手から注射器が飛ぶ。日哉は微動だにせず、刀の柄に手をかけ――。
「そこまで。」
静かな声が二人の間に落ちた。振り返ると、雨宮がカウンターに肘をつきながら、冷めた目でこちらを見ている。
「潰し合うのは勝手だが、今はまだ早い。」雨宮は淡々と言う。「吉田武史はまだ生きてる。首取るかは……片付けてから決めろ。」
ライアと日哉はしばしにらみ合う。
「……しょうがねぇな。」ライアは肩をすくめる。「じゃあ、吉田の首をかけた勝負ってことで?」
「望むところだ。」日哉は冷たく言い放つ。
その瞬間、二人の間に火花が散った。
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