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朝起きて、顔を洗って、歯磨きをして、ご飯を食べて、学校の準備をして家の前の道路へ足を踏み入れる。そんな日常も、あの日を境に誰も想像しない程の非日常へと変わっていった。
土曜の朝、九時と表示された目覚まし時計が音を鳴らしている事に気付けばオレはその時計へと手を伸ばした。完全に遅刻の時間帯でオレは言葉を失った。間に合うはずもない事は自覚しているが、取り敢えず学校に行こうと布団から出て準備を始める。
本日は休日なので着いても無駄だと言う事は知らずに涙目で通学路を走っていく。すると目の前を歩いていたハネ髪の男にぶつかり盛大に転けた。
『ぐぇ…痛ぁ…ってそうじゃなくて!!お怪我はありませんか!?』
『エェ…!?…私は大したことはありませんが、もしかして貴方、学生さんですか…??』
男は猛ダッシュしてきたであろうオレに目をやれば、両腕で抑えようとしたがもう遅く続いて倒れ込んでいた。ぶつかった際に落とした眼鏡を拾えば掛け直し、オレをじっくりと隅から隅まで見つめてみれば、それらしいものが見えたさまだ。
『はい!その通りですが、どうかしたんですか…??…あ…弁当も忘れてる…!!』
立ち上がっては、男の質問に対し不思議そうに首を傾げては、ニコッと微笑みながら手を差し伸べた。倒れた時の動きで弁当が崩れているのではないかと心配して少し鞄に目をやれば忘れていることに気付きさらに悲しそうにした。
『今日はゴールデンウィークで、休日だと思われますが…??』
男はオレの手を軽く握れば立ち上がり、不思議そうに首を傾げていた。
『ははっ、兄さん真面目そうに見えて冗談言うんですね!!』
『あら…気付いたようですね』
くすくすと笑えばまだ信じられない様子で述べながらスマホの画面を表示しては、直ぐに固まり動かなくなった。男は固まったオレの右頬に顔を寄せてきた。
『うぅ…お恥ずかしい…制服まで着て走ったなんて…』
『大丈夫ですよ。私も学生の頃はよくありましたし』
オレは赤面しながら苦笑し男を見ては、色々とすみませんと申し訳なさそうにした。次に男は何かを思い出したのか口を開いていた。
『よければ私の家に来ませんか??先程、クッキーが焼けましたので…』
『えっ!?いいんですか!僕丁度腹減ってたんですよぉ…』
男の言葉に耳を傾けると、きらきらと目を輝かせ嬉しそうにしていた。
『いいよ』
『兄さんって名前なんて言うんですか?』
男に着いてきてと言われてから、一キロ程歩んだ頃。ふと、思ったことを男に尋ねてみた。
『皆さんには グリ と呼ばれています、貴方のお名前は…??』
『何だか可愛い名前ですね!!僕は 青翼 ナギサ 、好きに呼んで下さいね!』
路地裏を抜けると、廃市が見えてくる。寂れた階段を何段も上れば一つのアパートが見えてくるさまだった。次には、男の名前に対して、サムズアップをしてみせては、謎のドヤ顔をする。
『そうですかね…??では、ナギサさんと呼ばせて貰いますね』
グリさんは、照れますと、赤く染る頬を両手で抑えていた。数歩歩けば、グリさんが三〇四と刻まれた扉をゆっくり開ける。中にはPCが三台程と、モニターが全面に張り詰めてあるさまだ。ハッカー??廃人??ひきこもり??のどれかだろうか、ただ暗い部屋の中をモニターだけが光を放っていた。
『兄さんかわい〜!!』
『エェ〜』
キャ〜!と乙女の様にはしゃいで楽しそうに笑う。開かれる扉の奥は暗い部屋、自身は特に何も感じなかったが男の顔を見ては眉を顰め視力悪くしますよ…?と心配した様子で見つめた。グリさんはそんなに褒めないで下さいよ〜と赤面していた。グリさんはオレの心配そうな視線に気付いたのか、大丈夫ですよと言わんばかりに眉を顰めながら微笑んでいた。
『兄さんはずっと此処に住んでるの?何されてる方なんですか??』
『高一の頃からずっと此処に住んでいますよ、今はニートに近いかな…』
きっと悪い人では無いのだろうと、最初から思っていて何も怖がる様子など見せずにこにこと微笑んだ。過去のことを話したくないのか、グリさんは”今は”を強調して述べた。
※
青翼 夏葵咲 (アオバ ナギサ)
身長 165cm 体重 50kg 生年月日 5月21日
血液型 O型 好き ?? 嫌い ?? 性別 ??
永緑 亜久里 (ナガミドリ アグリ)
身長 177cm 体重 61kg 生年月日 5月4日
血液型 O型 好き クッキー・爆弾 嫌い ?? 性別 男性
〆