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髪に触れる指が優しい。慣れた手つきに、ウンソクさんの過去を勝手に妄想してしまう。「どうした?」
椅子に座る僕の後ろから、顔をのぞきこんでくる。本当に優しい目をしてる。
「なんか……上手だなって」
「ああ。弟の乾かしたりするから」
「弟いるんですか」
「うん。年離れてるから、可愛くてしょうがない」
ウンソクさんにそんなふうに思ってもらえる存在がうらやましい。口には出せないけど。
「よし、乾いた」
僕の前に立って両手で髪を整えてくれる。女の子になった気分。
ウンソクさんがかっこよすぎて、この状況がいまだに信じられない。
先輩でも友達でもない。恋人、彼氏か……、に、なったんだもんな。
でも誰かに言えるわけでもない。秘密にする必要もないけど、多分隠すことになるだろう。いろいろ面倒だから。
「ウォンビン」
ぼーっとしてる僕が心配になったのか、しゃがみこんでまっすぐ僕を見つめる。
顔が近すぎて思わず身をすくめると、ウンソクさんは僕の髪をくしゃっと撫でた。
「疲れてるんだろ。早く寝ろよ」
じゃあ、と手を挙げて帰ろうとする。もっと一緒にいたい。それはわがまま、かな。