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だれかの録音ログ
地球はなんて綺麗な星だろう!
生まれた時から目でくっきり見える惑星に憧れている。
海と呼ばれてるところは凛とした群青色に染まり、陸の部分はそのエネルギーを閉じ込めた快活な青緑色。宇宙の漆黒との微妙な境界の色も。
世間では小さな星と言われているが、月の16
倍に小さく地球に近いここでは地球空と同じくらいの広さに見えている。
わたしの家の集落は地球にもっとも近いとされていて、幼少の時からずっと見守られてきた。なんだか母のようなものだ。
あそこには何がいるのだろう?どんな命が生きてるの?わたしたちを見たら、どんな反応をするだろうか。
わたしの一生涯の目標として、「地球へ行く」がある。宇宙船で飛び立って、もっと近いところへ接近してみたいのだ。あわよくばそこの生命と交信したい!
…ちょっと説明口調だね。ただの録音ログなのに
ああ、そうそう
わたしはS.r.1009って言うんだ。
ここ、リリー星で生きてる人型生命体?って言うんだって!
それでね、ねえ聞いて!
わたし、地球に行けるかもしれないの!個宇宙船惑星偵察隊っていう、他の星の見回りみたいなお仕事をするチームにずっと応募してたんだけど、最近受かったの!しかも地球偵察枠!
つまり、1人で地球の偵察に行けるってこと!
本当に嬉しくて、思わず飛び上がったら危うく真空に投げ出されるところまで行っちゃって!
凄く楽しみ!あなたもそうでしょ?
…って、言ったって意味ないね。答えてくれないし
まあ、わたしの意思表明ってことで!
これから多分訓練とか勉強とか色々な辛いことがあるだろうけど、折れないように!
辛くなったらこれを聞き直すね
じゃあ、ログ終了。
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