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おやつ、私からしたら主食なのだが、どうやらたい焼きはおやつらしい。「まぁいいけど! 意外ね、なんか、もっとこう、リッチな食べ物好きそうだなあって思ったのに」などといいながら私のことをじっくり下から上まで見ていた。「なんだ。たい焼きがリッチじゃないって言うのか? 鯛の形してるんだぞ? リッチだろ。早くたい焼き。たい焼きたい焼き」「うるさいわねぇ! たい焼き機なんて無いわよ、しょうがないから買いに行くわよ!」面倒くさい、ここから動きたくない。「ちょっと! 床に寝そべらないでくれる? 一緒に行くの! ほら、動け!」腕を引っ張られてるが私は動く気などない。「もう! なんでそんな真顔でいられるのかな! しらない! うちだけで行くから、味とかしらないから勝手に決めるからね」「小豆」小豆以外考えられぬ。「はぁ、わかりましたよ! 小豆ね!」何やらその後にごにゃごにゃ言っていたが何を言ってるかわからなかった。多分、私に対しての文句だろう。「たい焼き」 「うるさいなあ! 今人間にバレないように変装してるんでしょうが!」ん? 姫なら魔法が使えるはずだが、おかしいな。「魔法で人間になったらいいじゃないか? まさか、姫というのは嘘だったのか? それとも魔法が使えないのか?」ティグリスはおどおどしていた。恐らく、姫では無いのだろうな。「もうもうもう! 姫じゃないのよ、見栄張ってたの! ほら!」ほらとはなんだ、何が言いたい?「いってきあす。なにもしないでね! ものとか触らないで! そこで寝そべってて!」寝そべるなと言ったり寝そべってろと言ったり、面倒くさいやつだな。たい焼き。たい焼き。早く食べたい。たい焼き。
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「ほら! たい焼き買ってきたよ! ついでに回転焼き買ってきちゃった!」「回転焼きってなんだ!」咄嗟に出た、回転焼きってなんだ。「あー、色々呼び方あるんだって! 今川焼きとか、大判焼きとか、その回転焼きとか、おやきとか」おやきなら聞いたことがある。あの鯛の形してない状態のたい焼きの事か。あれも大好きだ。「ふんふふーん」ティグリスがおやきを出したから奪ってやった。「うわ! ちょっと! それは回転焼きだってば! こっち!」と言ってたい焼きを渡してきたから返した。でも一口かじっておいた。「割と返してくれるのね」と言い、私がかじったのを知らずにそのまま食べた。これは人間の言う関節キスと言うやつでは無いのか? こんなやつと関節キスをしてしまったのか。「ねぇ、顔赤くない? てかたい焼き食べないの?」ティグリスがおやきを頬張りながら言ってきた。変なことを考えていたから顔を赤くしてしまったのか、いや、なんでティグリスに? まぁいいや、たい焼き。「あんた、凄い勢いで食べるね? 火傷しない?」火傷した。アッツアツだった。「痛い」「馬鹿なのあんたわ!」笑われた。腹立つ腹立つ。「あんたじゃなくてフロースって呼べばいいじゃん?」「何よ? 呼んで欲しいの? わかったよ、フロースちゃん」ちゃん付けはするなよな。「ちゃん付けするな」「もう! 面倒くさいなあ!」そうやってしてるうちに仲良くなっていっていたような気がした。それと同時に、ティグリスとご主人様を重ねていたみたいだった。