薄暗い廊下にコツコツと足音が響く。
奥まで永遠と続いていそうな廊下を数分歩いた所に目的の部屋の扉が見えた。
ギィ…、 と鈍い音を鳴らして重い扉が開く。
中「失礼します。」
部屋に入ると見慣れた人物が此方を見た。
森「遅かったね、早速だけど、君に任務が有る。 」
ヤケに真剣な顔付きをしていた。
簡単な仕事では無いのだろうか ?
中「どんな任務でしょうか。」
森「”太宰治”を暗殺してくれるかい?」
至って単純な言葉だった。
【人を暗殺】
マフィアにとっては、暗殺や、殺人は日常茶飯事。と云っても過言では無いだろう。
だが、今指名された人物はそこら辺に居るような並の人間じゃない。
元マフィアで有り、元相棒だ。
中「太宰を、…暗殺、?」
森「嗚呼、出来るかね?」
断ると云う選択肢は無かった。
出会った時から現在まで、ずっと嫌味や暴言を撒き散らして居るのだ。
断ったら逆に変に見られるだろう。
中「分かりました、」
森「嗚呼、頼むよ。」
任務の詳しい内容を聞き、部屋を出た。
嫌いな相手を暗殺。殺せるのだ。
こんな絶好の機会はもう人生で二度と来ないかもしれない。
なのに、何故か心に靄が掛かったみたいだった。
もう既に暗く成り始めているヨコハマの街の一角である人物を待つ。
つい先程、その人物から連絡が来た。
内容は『今日の午後𓏸𓏸時𓏸𓏸分𓏸𓏸のバーの前に居ろ』
という簡潔なものだった。
今日は丁度仕事を休んで(※サボって)いたし、特にやる事も無く、暇だったから付き合ってあげたのだ。
暫く待つと、それらしいシルエットの人物が現れた。
太「あー、遅いよ〜」
中「ッるせェ!!仕事してたんだよ!」
太「はいはい〜、取り敢えず店入ろ」
中「ッたく、」
店に入ると静かな音楽が流れていた。
客は誰一人居なかった。
店に入ってから何時間経っただろうか。
隣に居る中也はベロベロに酔っ払ってしまっている。
太「そういえば中也。」
中「あ”ァ、?// 」
太「なんで私を此処に呼んだんだい?」
中也の表情が行成険しくなった。
太「中也?」
中「それは_
合わせた目から先程までは無かった殺気が伝わる。
中「手前をぶっ殺す為だ。」
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コメント
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音ちゃん天才✨💕 続き楽しみにしてるー!!!