最後です、!
ChroNoiR
葛葉→kz
叶→kn
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その日俺は軍を抜けた
きっと今頃俺の事を必死に探しているだろう
それから暫くして俺達はシェアハウスを始めた
一緒にゲームをしたり
ご飯を食べたり
喧嘩したり
お互いの話をしたり
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kn「葛葉ってなんの種族なの?」
kz「俺?…吸血鬼。」
kn「へぇー!吸血鬼なんだ!僕初めてみた!」
kz「そりゃあこの世界にはいないからな。」
kn「どうやってこの世界に来たの?」
kz「それはー….秘密。」
kn「えー、ひどい((ムスッ」
「じゃあ葛葉って今何歳?僕は16歳!」
kz「わかんねぇ、100歳から数えてねぇ」
kn「え、てことはおじいちゃん?」
kz「”あ”?」
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楽しい日々を過ごしていた
テレビでは謎の天使が突然姿を消したというニュースがもちきりで、消滅したやら、まだ生きててどこかで暮らしてるやら、色々と情報が周り人々は混乱した
だが1ヶ月もするとテレビでは他のニュースで埋め尽くされ、 そのニュースは聞かなくなり人々に忘れ去られた
kn「僕達のことあんなにニュースにしてたのにもう忘れ去られるんだね」
kz「他にも危険な生物は沢山いるからな。」
kn「まぁ僕は葛葉がいれば楽しいからいいけどね〜。ゲームさっきから僕が勝ってばっかだし笑」
kz「はぁ?俺がお前に負けるわけないだろ、もう1回俺が勝つまでやる」
kn「はいはい笑 」
そんなくだらない、何気ない、日々が続いた
だが、
それは突然崩された
1つになったパズルがバラバラに崩れるように
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最近叶の体調が良くない
熱があり、咳が出ている
頭痛もするようで本人は大丈夫というが辛そうにしている
薬を買ってきて飲ませても一向に良くならない
1週間くらい寝たきりの状態が続いている。
原因は分からない
だが、背中の羽が次第に大きくなっているように感じる
多分気のせいではないが叶は、もともとこれぐらいだよ
と、誤魔化すばかり
ここ何日かはご飯もまともに食べていないせいか体が痩せ細ってきている
kz「叶、ほんとに大丈夫か?」
kn「うん、ゴホッ..大丈夫大丈夫…笑」
俺はもう叶が嘘をついてることは確実にわかっていた。
なぜなら叶はもう嘘もつけないほどに辛そうな顔だったからだ
だが叶がそこまで大丈夫と言うのであれば俺は何も言わなかった
““今思えば言っておけばよかった””
俺は叶のためにお粥を作っていた
いつも作っているが、食欲がない、と食べてくれないので叶の好きなとうもろこしを少し入れて。
kz「食べてくれるかな…」
叶の部屋にお粥を持っていきテーブルの上に置く
kz「お粥作ったんだ。お前とうもろこし好きだろ?俺にしてはめっちゃ自信あるから食ってくれ。」
kn「…」
kz「…叶?」
kn「ごめん、葛葉。((ゴホッゴホッ…。僕もうダメかも、笑」
kz「..は?」
kn「僕、葛葉に黙ってたことあるんだ…僕は今、天使病にかかってる。」
kz「天使..病?」
kn「うん。背中から翼が生えて、その人から生命力を奪って羽が成長していく奇病。翼が大きくなるほど、弱ってって、死に至る…笑」
kz「…」
kn「ほんと困っちゃうなー、笑」
kz「それは…治せないのか」
kn「うん。もとからこうなるって分かってたの。僕は天使だから。とうとうその時がきたってだけ。笑((ゴホッ….」
kz「… 」
kn「葛葉、泣いてないで笑ってよ。僕はお前の笑ってる顔が好きなんだからさ?」
kz「別に..泣いてねーし、」
kn「はは笑、葛葉。出会ってくれてありがとう。友達になってくれてっ((ゴホッゴホッ… 」
kz「叶ッ!…」
kn「もうちょっと葛葉と、一緒にいたかったなぁ、、」
kz「叶…俺はッ((((
kn「葛葉。」
kz「 ッ…」
kn「葛葉、、」
kn「””大好きだよ””…笑」
その日、叶が死んだ
眠るように
痩せ細った叶の体とは裏腹に
翼は綺麗で立派だった
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俺はずっと叶に甘えていたんだと思う
友達になってほしいと言われたときから
一緒に暮らしているとき
一緒に笑いあっているとき
くだらないことをしているとき
俺は決して「楽しい」と口にすることはなかった
もともと叶の願いで友達になり
俺はただそれの言うことを聞いただけの
軍にいる時と同じ、奴隷にすぎないと思っていたから
でも叶は本当に友達に接しているように俺と話をしてくれた、笑いあってくれた
それで俺はその日常が『普通』だと思った
もともと俺は『感情』というものが分からなかった
何年も生きてきたが
泣いたこともない、笑ったこともない
だから『楽しい』や『悲しい』というのがわからなかった
そして今わかった
叶と過ごした時間何もかもが
俺にとって初めての『楽しい』だったのだ
でもそれに気づいた時には遅かった
もう叶はいない
そして初めて俺は『悲しみ』を知った
信じられないほどの涙が出た
自分にも涙が出たのかと驚くほどに
叶は俺の生きがいで、これ以上の人にはもう巡り会えないと思う唯一無二の存在だった
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kz「俺はまだお前に、『楽しかった』も『ありが とう』も『大好き』も…言えてねぇよ…。」
そこで改めて俺は”孤独”を知った
コメント
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もう好きです