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春の始まり、君は転校してきた。
「西宮 遥です!今日からみんなよろしく~!」
桜のように、綺麗な笑顔で笑う
俺のすっかり空いた穴を埋めてくれたんだ。
遥は隣の席になった
「ねぇねぇ!!君名前は?」
俺が下を向いていると遥はそう言って俺の顔を覗き込んだ。
「あ、おれ?渡辺 翔斗」
俺はそう答えた。
遥は満足そうな顔でこう答えた
「翔斗か~!!しょーちゃんだね!
隣の席同士仲良くしようね!」
本当に君の笑顔は大好きだ。
今でも忘れられないよ
その日から俺と遥はよく話すようになった
「何読んでんのー!」
俺が桜の木の下で詩集を読んでいると、遥がそう言いながら上から顔を出した。
「本じゃない、これは詩集だよ」
「へ~!!おもしろそ!」
遥はいつも俺に話しかけてくれる
俺の初めての友達だ。
ある日俺と遥は屋上で昼飯を食った
「ねぇしょーちゃん」
「ん?どうした」
俺が遥の顔を見ると、何故か悲しそうな顔をしていた
「もうすぐで春終わっちゃうね~、
早いな~、」
遥は俺にそう言った
「そうか?もうってよりやっとって感じだけどな笑」
俺はそう答えた、そしたら遥は
「やっとじゃなくて、もうだよ」
と空を見上げながら少し寂しそうな声でそういった
俺は謎に思った。
「春が終わるの嫌なのか?」
俺は聞いた、すると遥は
「まぁ、そうだね」
とこたえた。
あの時の俺は本当に謎でしか無かった。
春が終わる頃。
帰り道、俺と遥は話していた。
すると急に遥は立ち止まって俺に言った
「しょーちゃんは桜好き?」
「え?」
急だったから俺は戸惑った。
「あー、桜ね。俺は好きだよ、綺麗だし」
俺はそう答えた。
「そう、嬉しい」
遥はそう答えた。
俺は不自然に思った、だからずっと思ってた事を聞いた
「遥ってさ、桜なの」
外から見たら意味わかんないことを聞いている
でも本当にそうとしか思えなかった
春が終わって嫌だ、ということは春が終わって消えるものなんじゃないかって俺は考えた。
そしたら桜が出てきたんだよ。
遥は驚いたのか目をぱっちり開いてこう言った
「私は春の間だけこの世界に入れる。」
俺は驚かなかった、だって分かっていたから
「しょーちゃんの言う通り私は桜。
春が終わると私は桜になって、もう、この世界に次現れるのは次の春なの」
遥はそう答えた
「そっか」
俺は驚いていなかった、だけど俺は何故か遥に背を向けてしまった。
「こんな事言われて困るかもしれないけど
意外としょーちゃんのことすきだよ」
遥はそういった
俺は振り返った、でもそこにはもう
1枚の桜しかなかった