🇨🇳side
最近、菊がちょっと冷たい。
我がちょっとふざけただけで舌打ちしてくるし、前みたいに一緒に寝てくれない。
(子供の時は耀さんと一緒に寝る!ってきかなかったあるのに……
我、嫌われちゃったあるかねぇ……)
我はこんなに、大好きなのに。
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🇯🇵side
「耀さん、お風呂はもう入られましたか?」
「まだあるよ〜」
「それでしたらちょうど湯が温まってるはずなので早めに入った方がよろしいかと。」
「めんどくせぇあるな……」
「人様の家に突然泊まりに来ておいて何を……」
「わかったあるよ!入ってくるある!」
(アーサーさんみたいに、ナニカとしゃべらなければいいですが……)
「あ、菊も一緒にはいるよろし!」
「え?」
「一緒に入るある〜〜!!!」
「そんな、もう子供じゃないんですから……」
「頼むあるよ〜〜一生のお願いある〜〜」
「はぁ……わかりましたよ。私すぐ上がりますからね。」
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🇨🇳side
「やったある〜菊が一緒にお風呂はいってくれるある〜」
「やけにご機嫌ですね……」
菊がこんなにも優しくしてくれるのは久しぶりだ。
……と言ったら、いつもいじめられてるみたいだが。
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ちゃぽん。菊の足が水に入る音が聞こえる。
なんで露天風呂が家にあるのかは分からないが……
「ふぅぅぅ〜〜〜〜〜〜やっぱりお風呂はいいですねぇ〜〜〜〜ごくらくごくらく」
「嫌がってた割にはノリノリじゃねーあるか!!」
「お風呂の魅力には抗えません。」
菊は湯船に入って、我は先に髪の毛を洗っている。
ふと菊を見ると、湯気の向こうに綺麗な背中が目に入った。
それに比べて、我のは……
「我のとは違って綺麗な背中あるねぇ……」
口をついて出てしまった。傷をつけた本人が目の前にいるのに。その事で悩んでいることも知っているのに。
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🇯🇵side
その言葉を聞いた瞬間、忘れていたかった記憶が頭に溢れ出して、罪悪感と苦しみに潰されそうになって、
「はぁっ……はぁ……はぁ……」
上手く息が出来ない。
背中の傷をつけたのは私だ。
耀さんの家を襲いに行ったのもこんな夜だった。
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「あ、菊!こんな夜更けにどうしたあるか?」
「ちょうど粽作ったある!あがるよろし」
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あれは戦争の直前だった。誰が誰に攻撃をしかけるか分からない。誰も彼も信じれない状態だった。
でも耀さんは、突然夜更けに押しかけた私を拒むことなく、受け入れてくれた。
それなのに……
「ごめんなさい……」
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