『俺と付き合え。✿』
「…え?」
そんな強引な告白をしてきたのは、
紛れもない。
糸師 凛だった。
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登校し、靴箱を覗くと1枚のレターが入っていた。
「私、ついにモテ期かな…!?」
【んなわけあるかい!たった1枚やで?】
と友達に言われながらもレターを見せつけ、
その友達と一緒にレターの中身を見る。
『放課後体育館裏に来い。 話がある。 I.R』
なんとも少女漫画に出てきそうな単調な文。
【なんやこれ!イタズラか?】
と✿より先に反応をしてしまう友達。
「イタズラでは無いんじゃない?
てゆうか、 I.Rって誰だろ?」
【んー…見当もつかんな…】
と悶々と悩む。
「ふふ、なんか笑えてきたね」
と言ったあとに
キーンコーンカーンコーン
とチャイムが鳴ってしまう
【おっと!じゃ、うちは教室帰るわ〜 】
「わかった!また後でね!」
【おう!ほなな〜 】
と友達の背中が遠くなって行くのを見送る。
「(どんな人なのかな〜)」
と考えると4限目まで終わってしまった 。
お昼ご飯を食べに学食まで急ぐと、
ドンッ
人とぶつかってしまった。
「わわ!ごめんなさい!私の不注意で!」
咄嗟に謝り、ぶつかった人の顔を見る。
春雷高校の中で1番イケメンと言われている
糸師 凛だった。
その糸師 凛の顔を見ると
黒いマスクをしていたが、一目で分かる
タコのような赤い顔だった。
「はぇ!?熱ありますよ!!!!!!」
『は、』
と一言だけ発し、逃げるように走って行く。
「(風邪だったのかな…熱大丈夫かなぁ…)」
と考えていると
わぁっ!
と大きな声が耳元で聞こえてきた
「うぎゃぁ!」
猫のように驚くと、
その場にいた人達が✿の方を見る
そりゃそうだ。
糸師 凛とぶつかったり、
大きな声を出したり、
とにかく注目の的だった。
2人はその場からすぐに離れ、
お昼ご飯は当然なしだった。
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気づくともう放課後になっていた。
帰る準備をして体育館裏に急ぐ。
着くと、まだ相手は居ない。
すると急に2chを思い出す。
《陰キャ男ワイ、 告白だと思ってラブレターに書いてた場所まで行くとイカつい男に カツアゲされたんだが》
「(そうじゃん…!イカつい男にカツアゲとかされたらどうしよう…!)」
時すでに遅し。
もう足音が聞こえて来る。
「(わぁぁ…なんか不安になってきた…)」
ザッザッっと足音を立てて 現れたのは
ほんの10cm程の子猫だった。
「わ、猫ちゃん!迷子かな…?」
と癒されていると、急に大声が聞こえて来た
『は…は!?なんだよ!まとわりついてくるんじゃねぇ!!』
「(え、なに!?こわ…痴話喧嘩かな…)」
✿が怯えていると
『おい…』
と殺意マシマシの声が聞こえてきた。
その声の主は黒マスクをした
糸師 凛だった。
その糸師 凛の足元には子猫がおり、とても懐いているようだった。
だがそれ以上に驚く事が起きる。
『俺と付き合え。✿』
「…え?」
信じられない言葉が出てきて✿は硬直状態。
糸師 凛の顔色 はまさに
イカに墨を掛けられたタコの様。
まさにカオスだ。
『…返事』
「えっ……と…」
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