血の色は深い赤色だということ
そしてそれはとても温かいということ
自分が今まで生きていたこと
それを初めて自覚したのは
自分が死んだ時だった。
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「〜♪」 綺麗な声が部屋を包む。
「…ねぇ」
「っ!お 王馬くん!」
「やだ恥ずかしい つい、家にいるつもりで…」
そんな事を恥ずかしがりながら赤松さんは言う。
「本当に音楽が好きなんだね」
『今のなんて曲なの?』
ぱぁぁと、よくぞ聞いてくれましたという眼差しで君はこう答える。
「今のはチャイコフスキーの『眠れる森の美女』私の一番好きな曲なんだ」
「へぇ、いい曲だね」
嘘つき
人がつく嘘が嫌いだ。
自分が嘘つきだから、尚更なのかな。
彼女に同じ質問をしたのは今ので7回目。
同じ曲が帰ってきたことは1度もないけど、
彼女は必ずどの曲にも「1番好き」と言った。
オレはいつも同じ嘘をつく。
「へぇ、いい曲だね」
「…あ、あのさ王馬k「赤松さん!」
「わ! 茶柱さん」
「何を話しているんですか?」
「好きな音楽の話だよ」
「あの方に気を許しては行けません」
「そんな…まだ何もしてないのに」
「なにかあってからでは遅いんです!」
「人が殺せそうな方には近づくべきではありません!」
「な、茶柱ちゃん、そんな言い方は」
「はぁ…」 俺は水の入ったコップを持って去ろうとした。
「あ、王馬くん!」
「人を…」
「殺そうなんて思ったことは1度もないよ。」
「6回殺されててもね。」
「「え?」」
2人はキョトンと僕の方を見た。
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1度目は首を刺され
2度目は毒殺。
3度目は殴打で、
4度目は燃やされて
5度目はお腹を刺された
包丁は自分の体温より冷たいということ。
お腹を刺されてわかった事だ。
最初は訳が分からなかった。
だけどあの血の色や痛みは夢じゃなくて、
すぐ皆に確かめようとした。
おかしいのはオレだけだった。
話しても誰も温かい眼差しをくれやしない。
あの子を殺したあの人も
オレを殺したあの人も
それから余計にオレは怪しまれ、孤立し、その状況を利用されて更に殺された。
オレも馬鹿じゃない、次目覚めた時には怪しまれる言動はしないようにした。
だけど
「超高校級の総統」 という肩書き
コロシアイゲームという場において、この肩書きは怪しすぎる。
そうしてオレは5回死んだ。
それでも、努力して6回目では生き残った。
だけどこの地獄は当たり前のように振り出しに戻るだけで終わらなかった。
そしてこれで七回目…
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「あっ」
「…」 最原…下の名前なんだっけ
「ごめんね邪魔したかな?」
「いいや、オレもう見終わったから部屋戻るよ。」 そういって見ていたテレビを消そうとする。
「えっじゃ、じゃあさ」
「これ、よかったらいっしょに見ない?」
そういって君は映画をみせてきた。
「別に、暇だからいいけど…」 下の名前も忘れたし、ほとんど話したことないな
「ほら、ディスクかして」
最原くんの持っているディスクに手を伸ばす。
「座れば?最原くん。」
「あ う、うん」
ポスンっ
(なんで隣なんだろう…)
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つっーーーーーーー
まんねぇ〜〜
(てか、)
チラッ と横に目をやる
「…」
(寝てるし…)
すぅ、すぅと寝息が微かに聞こえる。
(綺麗な顔だなぁ…)
…
「最原くん」
「ほんっっとごめん!!!」
「僕が誘ったのに…」
「面白く無かったからいいんじゃない?」
「それはそれで…」
「ていうか、オレも暇つぶしになったしいいよ。」
「…王馬くんって、やさしいね」
「冷たいだけでしょ」
「悪くいえばってやつだ。」
「は?」
「優順不断、よくいえば慎重
即決、悪くいえば考えなしってさ」
「君が悪いと思ったところを、僕はいいと思った。」
「ただそれだけなんだけどね。僕からはそう見えたってはなし。」
「あ 、そう。ありがとう…」
(そんな考え方する人いるんだ…)
「それに僕、君と話したかったから嬉しいよ。」
「いやそんな媚びなくていいよ」
「えっ…
いやっ媚びてはないよ、単純に君は他となにか違うって言うか、」
「この状況で随分と落ち着いてるというか…」
「コロシアイの話を聞かされた時も、君の驚きは随分と嘘くさくみえたし…」
「あっ疑ってるんじゃないんだ。殺し慣れてるとかもおもってる訳でもないよ。」
「えっと、なんていうのかな、えーと」
「最初から諦めてる」
「ように見えたというか…」
「心配だった。」
心配?
「諦めてるって何を?」
あれ
「オレが、誰かが死ぬのをどうでもいいと思ってるってこと?」
やめろ
「そう言いたいの?」
やめろ
「ーーっ!ちがう、そうじゃなくて」
「オレが生きるのを諦めてるようにみえるの?」
「っ…うん…」
落ち着け
「それで?」
どうしたんだよ
「殺しやすそうとでも思った?」
「ま 待って王馬くん!僕は話がしたかっただけなんだ!!!」
「…したって……変人だと思って殺されるだけだ…」
どうしてだろう。
今まで我慢できてたのに
君には全部吐き出してしまいたくなる。
「僕じゃ…力になれないのかな」
「君がオレを殺すかも知れない。」
「僕はそんな事しないよ」
「君がしなくても、」
「次の君はわからない。」
「?」
「オレが信じたくたって君たちは綺麗さっぱり忘れてる。」
「全く違うことを言い出す。それなのに、どんなに違うことを言っていたとしてもオレが悪者なのは変わらない。」
「わかってる、オレだって逆の立場なら疑うよ。」
「だけど、だからね、そう簡単には開き直れないんだよ。」
「生きること自体を諦められたら楽なんだろうけど、そうなれないんだ。」
「どんどん怖くなる」
「慣れたりなんかしない オレは」
「死ぬのが怖くて堪らない。」
「…」
「どうせ助けてくれないんなら 理解者のフリしないでよ。」
「それでも…」
「それでも本当に心配してくれてるって言うんなら」
「せめて」
「苦しくない方法でオレを殺してよ」
コメント
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セリフ 誰がどれを言ってるかわかりずらいもです。すみません🙇🏻♀️