末澤 side
俺の名前は末澤誠也。高校教師をしている。
今日は新学期、4月9日。
1年生のクラスを持つ、と聞いていたが事前打ち合わせで気になる子がいたのだ。
〜打ち合わせ〜
末 今日は よろしくお願いします。
中学校担任 お願いします。末澤先生がもつ子たちは……
色々な生徒のことを知っていく上で、中学校担任の先生がある子のことを詳しく話し始めた。
中学校担任 この子、佐野晶哉っていうんです。入学当時から静かなタイプの子で、成績も良くて、正直もっと上の高校でもやっていけていたと思います。ですが本人がここを希望したので。
末 ほう。そういう子が入ってくれるんはありがたいっすね。クラスまとまるんで。
だが中学校担任の先生は顔を顰めた。
中学校担任 ただ……佐野くん、、ゲイなんです。つまり、同棲愛者。なんらかの事情でその情報が広まってしまったみたいで、いじりというんですかね、そんなものを受けていた印象です。もちろんわたしたちは受け入れていましたが。
そういったときは驚いた。
なぜなら俺、末澤も_同棲愛者なのだ。
俺も学生時代は苦い思い出ばかりだった。
ゲイというだけで、BLと騒がれ、苦しかったのを鮮明に覚えてる。
だが今はオープンにしている。
この高校に入って挨拶をするとき、俺はキッパリ言ったんだ。
“僕はゲイです”と。
腐女子、腐男子といわれる部類の人たちは騒ぎ、理解のない人たちは引いて、俺を避けた。
ゼロか百かしかないこの世界が、俺は嫌いだ。
末 ……そうですか。高校でも同じことが起きひんよう、よく見ていきます。
。
体育館での入学式が終わり、教室に生徒たちがぞろぞろと戻っていく。
末 ふぅ…じゃあみんな席ついてー
生徒 はぁい
末 今日から1年A組をもちます、末澤です。
佐野くんはどこかと見渡していると、1人の生徒と目が合う。
佐野くんだ。
佐野くんは礼をして、下を向きじっとしていた。
可愛ええな、あの雰囲気。
生徒 よろしくお願いしまーす
末 よろしくなー。簡単に自己紹介すんで。名前は末澤、好きな食べ物はいちごです。運動も意外とできるんで体育もってます。好きになる人は男性です。
生徒 ……
末 なにぃ、好きなになる人が男やからって気ぃ使ってくれてるん?それ、やめてな。別に好きになることには変わりないんやからさー?もっと楽にしてや。
生徒 ワンチャン私と先生、あると思ったんだけど……
生徒 いや、ないっしょこの感じ
生徒 えー、やめてよそんなはっきり言うの
末 はいはい終わりなー。教科書配んでー。今日のうち名前書いて明日全部持ってきて、重いけど。
生徒 えーだるぅ
末 お前らに気ぃ使われる方がだるいぞー、ええか、絶対明日もってこいよ
生徒 はーい
なんかだかんだいって、毎年本当に大切で守りたくなる生徒たちだ。
今年も、みんなで無事進級できますように。
佐野 side
俺は佐野晶哉。中学校では何もしてこなかった、いわゆる陰キャ、というものらしい。
へぇー、末澤先生ゲイなんや。なんか親近感。
どこからか分からないが俺がゲイなのがバレて謎に避けられるようになった。いつのことかなんて覚えてへんけど。
末澤先生は顔が整ってて、声も高くて、可愛いし、頼りがいのある1面ももってそう…という印象。
かっこええな、先生。
俺もイケメンって思うぐらいなんだから、女子からモテモテなんだろうなー、
俺には近づけないってか、笑
生徒 ゲーサノ、よかったなー笑仲間できたじゃん笑しかも関西、一緒!笑
生徒 えーきもー!先生のこともそんな目でみてんのー?さすがにやばい笑
佐 …あははっ、
末 ええてそういうの、ほんましょーもない
生徒 ……えっ、いじりだし
末 佐野はいやちゃう?
佐 いや、慣れてるんで大丈夫です。ニコッ
末 俺学生のときほんま嫌やったけど。
佐 それは、先生がーでしょ、?俺は全然、プライドとかないんで、笑
末 なんやその言い方ー、あとで職員室きてなー
佐 …コクッ
初日で呼び出し食らうとかほんとバカだな、俺
生徒 調子乗るからだよ、ゲイの佐野!笑
ゲイでなにがわるいんだろーなぁ…
佐 うん、だねぇ、笑
末 はぁ…
どうせ、俺の事で迷惑かけるんやろなー、
末澤先生に。
末 じゃあ今日は終わりなー!明日は学級委員、学級目標、係、もろもろ決めちゃうから!明日休んだら勝手に全部決まるから嫌やったら来ることー
生徒 おっけーおっけー
末 はい、起立。気をつけ。ありがとうございましたー
生徒 あざしたー
沢山の人が教室を後にしていくなか、俺は1人席に残った。
すると先生が近寄ってきたんだ。
センターパートの髪の毛が揺れて、耳元で話してくる。
末 いややったやろー。
佐 んなことあらへん…ありません、
末 なんであいつらいーひんのに嫌っていわんのー。それかほんまにいややないん?
佐 …職員室ちゃうんですか、
末 どこでもええわ。俺は佐野と話したかってん。
そう言って俺の隣の席に座った。
佐 ……どうしてこんな俺と、
末 中学校の先生からも聞いとったで?つらくないん?幸せ?俺は佐野が幸せで、学校楽しいって思ってくれるまであきらめへんぞ。教師として当たり前やけど。
その言葉を聞いた瞬間、この人は頼っていいって、心から思った。
佐 …せんせっ、俺、ずっとつらくて、いややった……、理解してほしかった……!
末 うん。せやろ?そーやと思ってん笑
佐 そんなあかんの、?男の人好きなの、
末 あかんくない。あいつらはかまってちゃんやねんって笑しかも……それあかんかったらどうなるん、俺。笑教師なんてなられへんやろ?
末澤先生はへらへらしているが、俺の背中を暖かい手でずっとさすってくれた。
それが、ほんまに嬉しくて、一生離して欲しくないって思った。
でもその手は、呆気なく離れた。
末 佐野の話と気持ち、受け取ったで。はよかえらんと御両親に心配かけるんとちゃう?引き止めてごめんな。
佐 いいえ、嬉しかった…です、人に話聞いてもらえんの、初めてやったんで。
末 あぁそー。笑
明日も、明後日も、ずっと話したい。
佐 明日、お昼休みあいてます?
末 なんや、恋愛相談?
佐 んなもんちゃいます笑ふつうに話したいんです。
末 こんな可愛ええ生徒にお願いされたら行くしかないなー。じゃあ音楽室でもいくか?多分小島がピアノ弾いとる。
佐 先輩ですか……?
末 そーや。まぁ明日はなそか。
佐 …はいっ!
末 いい返事やな。
末澤先生の手のひらは、俺の頭を覆った。
佐 …っ、
末 なにキュンキュンしとるん。
佐 してないですっ!!!!じゃあ!また明日!
ばんっ!と戸をしめた。
あぁ、なんだかんだ言ってよかったのかも知れへんなー。
あいつらになんか言われる心配よりも、末澤先生と話せる喜びの方が断然大きい。
ほんま、ずるい先生や。
#1.可愛い佐野、ずるい末澤。
現在、片思い中。
はいっ!どうもあおです😌
張り切りました連載です……
本当に完結に1年かかるんじゃないかぐらいなにもかんがえておりません!!
今後の進展予想などあったら🌾にお願いします!
あと、ふつうにBL作品です。ごめんなさい。文中にBLで騒ぐか、引くかみたいなこと書いておいて、ガッツリBLなのです。ご了承ください❕笑
短編?みたいなんもリク募集してますよ!!!
してくれたらばりくそ喜びますぜっ
ではまた次の作品で✨️
24.9.25
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