「…もとき?」
「なに?」
「まだ、怒ってる…?」
「いや、そりゃ怒ってるよね…ごめんねこんなこと聞いて、」
「…怒ってるよ、もちろん」
1時間前のことだった
「もう!!もときなんかきらい!!」
あっと思った、言ってしまった。
いつも言わないように一番気にかけていたのに
ゆっくり目を開けもときの顔を見た。
はっとして、すごく悲しそうな顔をしている
「あっ…、ごめ…もとき、」
もときは嫌いって言われるととても悲しがる
前もそのような事があった
これからは絶対に言わないともときと約束したはずなのに
俺は約束を破ってしまった。
「…もとき!ごめんね、」
俺はもときにハグをしようと手を伸ばした
もときの体にもう少しで触れるところでもときは言った
「僕のこと、きらい?」
「きらいじゃない!きらいなんて一回も思ったことないよ」
もときにこんな質問をさせてしまった俺が心底嫌いになりそうだ
「ごめんね、きらいって言って…好きだよ」
と言って優しくハグをした
「次言ったら許さないから」
「うん、絶対言わない 」
と、俺の中では仲直りできたつもりだった
が、もときはまだ怒っている
ソファーに座りながらスマホをいじっているもときの隣に静かにちょこんと座る
なぜかとっさにもときはスマホの電源を消し、急にテレビを付けた
…あやしい
「なんか今やってたでしょ」
「…べつに」
「ねぇ見して」
「まぁいいけど…」
はい、と素直にスマホを渡してくれた
スマホの電源をつけ、みると
LINEのトーク画面だった。りょうちゃんとだった
内容は俺と今さっき喧嘩したことだった
『若井と喧嘩しちゃった 』
『ほんと?仲直りはしたの?』
『謝ってもらったけど、まだなんかムカムカする』
『そっか、でも今のうちに素直になっておきなよ』
『若井のこと好きなんでしょ?』
『好きだけど…』
『どんな喧嘩しちゃったのかは分からないけど、好きって気持ちは若井も一緒だと思うよ』
『改めて仲直りしたら』
『…うん、そうする。ありがとねりょうちゃん』
といった内容だった
俺はスマホからもときに目線を移した
もときは俺から顔を背けている
「もとき」
「…ん」
「こっちみて」
「、なに…」
もときが振り向いた瞬間にキスをした
「…ん…ぅっ、」
と甘い吐息を漏らすもときが可愛くて、愛おしくてしょうがない
「すき」
「…僕も、すき…」
「ごめんね。仲直りしてくれる、?」
「…うん」
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