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夕凪「高校……何年の頃だ?」
朝露「高2。」
夕凪「あーそうだった。高2の頃の……夏だったかな。」
俺はその日も遅い時間まで勉強してて………
夕凪「まだ明るいな……」
夏だったから、6時とかそのくらいになってもまだ明るかったのを今でも覚えている。
夕凪「勉強してたとはいえ、流石にそろそろ怒られそうだし」
夕凪「……帰らないと」
ザッ ザッ ザッ……
こんな時間に、しかも俺ではない誰かの足音が聞こえた時は普通に怖くて……
夕凪「……!?」
んで、思わず振り向いたら………
朝露「………」
______朝露がいたわけ。
見た目は今とほぼ変わりないけど、当時の俺からすればすごく怖いように見えた。
夕凪「え………」
朝露「……おい、お前」
夕凪「え、あ……な、何ですか……」
正直今でもあの言葉は忘れられそうにない。
朝露「………俺と”友達”になってくれないか。」
夕凪「え………?」
そんなこと言われるとは、正直思ってもなかった。
初対面だと言うのに、ましてや当時学年でも怖がられていた朝露に、だ。
______怖くて怖くてしょうがなかったよ。
朝露side
夕凪「え………?」
まぁ、分かりきってたことだし当然と言った所だ。
朝露「……」
そりゃ普通に考えてそうだろうな、って反応だった。
何もしてないのに通りすがりのチンピラに絡まれたら誰でもそうなる。
そんなんで『友達』になってくれなんて………我ながらアホらしかった。
でも、こうするぐらいの事しか俺には方法がなかったと思うから……
脳が自分のやった事を今さら理解したかのように一瞬頭が空っぽになると、すぐにそれは元に戻る。
目の前には豆鉄砲を食らった鳩のような顔の夕凪がいる。
夕凪はハッと我に返ったような表情をすると、2、3秒の沈黙が流れて口を開いた。
夕凪「……分かりました。いいですよ。」
朝露「………!」
夕凪「友達、なりましょう。」
夕凪side
朝露「……で、お前名前は?」
夕凪「え、名前も知らないで友達なろうとか思ってたんですか?」
朝露「あぁそうだよ何か悪いか〜!?((」
無計画………思い立ったらすぐ行動するようなタイプなのかな。
夕凪「……えっと、俺は夕凪 璃透。」
朝露「おー、璃透って言うのか!俺は朝露 庵な。」
朝露「よろしく!」
眩しい笑顔だった。
夕日の逆光に照らされてそう見えるだけだったのか、俺が勝手にそう見えただけだったのか。
夕凪「あ……うん、よろしく。」
それは今聞かれても、分からないと思うな。