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私と宇賀神先生は豪華客船に乗っていた。
私の25歳のバースデーをお祝いする為である。
もちろん、料金はすべて宇賀神先生が出した。
私たちは豪華な部屋で、甘い夜を過ごすはずだった。
まぁ、宇賀神先生の予定では、だけど。
だけど、事件は起きた。
「どうしたんですか!?」
私が部屋を出て隣の部屋の奥様に話しかけると彼女は言った。
「私のオパールのネックレスが盗まれたんですわ!!!」
豪華客船の宝石泥棒だ!
そうして、甘い夜そっちのけで捜査が始まった。
この船が日本海を航海して、また東京湾に戻るのは2日後だった。
それまでに犯人を見つけないと、証拠が陸に持ち込まれ、捜査不可能になるだろう。
「まず、事件を整理しましょう。」
私は室内をウロウロと歩きながら言った。
「今日は綾乃の誕生日なんですよっ!
素敵な夜を過ごそうって約束したじゃないですか!」
宇賀神先生はかなり不機嫌だ。
しかし、事件が起こってしまったものは仕方ないじゃないか?
「それよりも、私たちは職務をまっとうしなければ!」
「嫌ですよ!
僕と甘い夜を過ごしましょう?」
「お預けです!」
「そんなぁぁぁあ!?」
「ほら、まだ、後2日あるんですから。
事件が早く解決したら、ね?」
私は甘い言葉を囁く。
「小悪魔っ!」
宇賀神先生はベッドの枕を私に投げつけた。
「さて、では事件を整理します。」
「はいはい、聞けばいいんでしょ。」
「まず…
この船の客室は全てオートロックです。
他社の侵入は不可能にも思えますが、レストランで食事中に盗難はおきました。
犯人は斧でドアのオートロック部分を破壊し、中に入ったものと考えられます。
そして、宝石箱の中にあったネックレスを盗んだ。
幸い?というか金目のものはネックレスしか置いていなかったそうです。」
「ふぅん…?
でぇ?
僕たちが探偵の真似事をして、犯人を探すわけですかぁ?」
「その通りです!」
「ふん、犯人はかなり計画的です。
もう、既に盗んだ宝石は見つからない所に隠してあるでしょうし、プライバシーの問題もありますから捜索する事も出来ません。
つまり、無理ですね。」
宇賀神先生は超やる気無さそうにそう言った。
「先生っ!?
なんでそんなにやる気無いんですか!?
事件なんですよ!?」
「あなたはなぜ誕生日なのに、そんなにやる気なんですか!!!」
「えぇい!
誕生日なんてね!
また、来年も来るんですよ!
嬉しくもなんともありませんよ!」
私は言う。
「はぁぁぁあ…
分かりましたよ。
でも、この豪華客船には200人乗っているんですよ?
どうやって犯人を探すんです?」
宇賀神先生。