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これは、とある夏休みの話。
高木優也 高校2年生
ユウヤ「あ~‼︎夏休み最高~‼︎
宿題は明日からでいいよな…
さ、ちょっと出るか。」
「と~ちゃん?ちょっと遊びいってくる~‼︎」
トウチャン「あ~い。気をつけてこいよ~」
ユウヤ「おう‼︎ ガラガラガラ
にしてもどこ行こうかな…。
適当に散歩していると、小さな鳥居が見えた。
ユウヤ「あれ?こんなとこに鳥居なんかあったか?
俺の地元はドがつくほどの田舎で、普段通らない道を歩くと意外となんかあったりする。
ユウヤ「いってみっか」
俺は好奇心に負け、鳥居を潜った。
ユウヤ「……は、?
どこだよ、ここ…。」
俺が鳥居を潜った瞬間、周りの景色がガラッと変わった。
道の両端にある稲荷像。
周りにある大きな木や神木。
そして、その奥には決して大きくはないけれど、存在感というのだろうか。
雰囲気のある古い神社がどんとあった。
ユウヤ「なんだ、ここ、?」
俺は神社の周りを探索してみることにした。
沢山の木々、きっちりと掃除された地面。
そこで、俺はあることに気づいた。
ユウヤ「生き物がいない?」
そう。″生き物がいない″のだ。
鳥や鹿などのよく山から降りてくる動物はもちろん。
木や地面をよくみてみるも、カブトムシやあり1匹いない。
ユウヤ「なんなんだよ、ここ…!」
あれが少し恐怖心を抱いた時。
「あれ?」
後ろから、聞き慣れない誰かの声が聞こえた。
ユウヤ「えッ?」
「珍しいな、こんなところに。」
そこには、見たことのない巫女服のお姉さんがいた。
さっき言ったように、この辺はドがつくほどの田舎なので、近所の人はだいたい知っているのに。
ユウヤ「あ、えっと、」
俺が戸惑っていると、
「私はね、この神社で巫女やってるんだ。」
ユウヤ「あッ、そうなんですねッ‼︎
すいません、勝手にッ…」
「ううん。全然いいの。むしろ、この神社だっれも来ないから嬉しいな。」
お姉さんは優しく、包むように笑った。
「あ、ねぇ‼︎この後予定ある?」
ユウヤ「え?あ、特には…」
「そっか!よかったらちょっと休んでかない?」
ユウヤ「え、は、はいッ!」
俺は結構陰キャで、友達もほぼいない。
そんな俺にとって、誘ってもらうなんて夢のような話だった。しかも異性なんて。
それから俺らは神社の裏の縁側に冷茶と煎餅を乗せたお盆を真ん中に、並んで座った。
縁側の目の前には、綺麗な池があった。
その池は周りの木々から太陽の木漏れ日が当たってすごく神秘的に輝いていた。
その池の中には、赤橙白、黒色赤、黄白橙…など、多色の鯉が泳いでいて、その鯉が池をさらに神秘的にしていた。
「ねぇ、君、なんていうの?」
ユウヤ「高木優也って言います。高2です。」
「優也くんか。今は夏休み中?」
ユウヤ「はい。それより、ここって…」
「ここ?あ~、ここはね、」
池水神社
「っていうの。」
ユウヤ「池水神社?」
「うん。ほら、この池。」
お姉さんは、コップを置いて、池へ歩いた。
「昔ね、ここの池のお水を飲んだ人が、自分が池の中にいるかのような体験をしたんだって。
周りは綺麗な水色の水があって、いろんな鯉が泳いでて。それを30秒だったかな?それくらい経つと、元の世界に戻ったんだって。それからその人は成績が良くなったり、くじ引きで1等が当たったり…幸運が訪れたんだって。古くからこの神社にいい伝わる話なんだけどね。」
ユウヤ「へ~、…」
「ねぇ、優也くんは、この話、信じる?」
お姉さんは静かに俺へ問う。
ユウヤ「俺は…」
「ふふっ。正直に答えていいよ。」
お姉さんはくすっと 笑った。
ユウヤ「正直、信じないですかね…というか信じれないのかもしれないですけど…。笑」
俺は照れくさそうに笑う。
「ふっ。そっか。そうだよね。笑
私も正直、あんまり信じてないけどね。笑」
その時。
しゃんっしゃんっ。
ユウヤ「ん、?」
「あ、今日、お祭りなんだ。」
ユウヤ「お祭り、?え、今日祭りなんかあったっけ…」
「あ~。実はね、ここ、
君たちが普段過ごしている世界じゃないから。
ユウヤ 「は、、?」
「君たちが普段いる世界は此岸今いるこの世界は彼岸なんだよ。」
ユウヤ「え、つまり…」
「ふふふっ。あ~君おもしろいっ笑」
ユウヤ「え、え?」
俺は戸惑う。
「冗談だよ。あ、冗談ではないか。
大丈夫。君は人間。生きてるから。」
ユウヤ「え、じゃあ、お姉さんは…」
「あ~私は死んでるわけじゃないよ。笑
ただちょっと″違う巫女″っていうのかな。笑」
どんっどんっ
しゃんっ
どんっどんっ
しゃんっ
「優也くんもみる?
あ、見ても帰れるから大丈夫だよ。笑」
ユウヤ「見たい…!」
またもや好奇心に負けてしまう。
「じゃあこっち来てっ!」
ユウヤ「はい!」
ユウヤ「わ、すげぇぇ、、」
そこで見たのは、狐や熊、鹿や兎などの沢山の動物が御神輿や、舞を舞っている姿だった。
現実では絶対に見ることのできない、非現実的な景色。
「どう?すごいでしょ。」
お姉さんは自慢げに言う。
ユウヤ「すごい…っ」
「私、今からあそこで舞舞ってくるんだ。
あの舞はね、動物と一緒に、神様に感謝を伝える舞なんだ。年に一度の」
ユウヤ「そうなんですね、!頑張ってっ…!」
「ふっ。ありがとね。」
ユウヤ「すげぇ、」
その時、狐が近くに寄ってきた。
キツネ「今日は来てくれてありがとうございます。
お礼の稲荷寿司です。よかったらお食べください。」
ユウヤ「あ、ありがとう、ございます…、」
え、狐が喋った、?
ユウヤ「幻聴じゃない、よな、?」
キツネ「では、引き続き池水神社池水之鯉姫神感謝祭をお楽しみください。」
といい、狐はトトトトと歩いて人混みの中へ消えていった。
ユウヤ「池水神社池水之鯉姫神感謝祭…?長~…。」
と思った瞬間。
ひょひょ
舞が始まる合図が聞こえた。
ユウヤ「あ、お姉さんの…」
ユウヤ「わ~、…」
お姉さんは、とっても華麗に舞っていた。
さっきの巫女服に、1枚ほど鶴の羽織をはおり、頭にはしゃらしゃらと輝く髪飾りをつけていた。
鈴を持って、しゃんっしゃんっしゃんっと舞っている。
途中で目が合った。
「 」
お姉さんは微笑みかけてくれた。
ユウヤ「あッ/」
俺はちょっと恥ずかしくなった。
祭りが終わった。
「優也くん。どうだった。?」
ユウヤ「すっごく楽しかったです。」
「そっか。…あ、そのお稲荷さん。もしかして狐さんからもらったの?」
ユウヤ「あ、はい。食べても大丈夫ですか?」
「ふふっ。大丈夫だよ。あ~でも″優也くんがもらったもの″だから優也くんが食べなね?」
ユウヤ「あ、はい!」
ユウヤ「あ、もう暗くなりそうになってきたな…。」
「あ、もう帰る?」
ユウヤ「はい。ありがとうございました。たのしかったです。」
「よかった。あ、そうだ。これ、あげるよ。」
ユウヤ「これは…お守り?」
「うん。私とお揃い。笑」
ユウヤ「ありがとうございます!」
「ふっ。またきてね。」
ユウヤ「はい!また明日来るかもです。笑」
「うん。待ってる。」
ユウヤ「ありがとうございました!」
「は~い。気をつけてね。」
ユウヤ「はい!」
互いに手を振って別れる。
明日も会えるはずなのに、なぜか別れが惜しい。
ユウヤ「へへっ。笑」
帰りにふともう一度お守りを見る。
真ん中に「幸運祈願」と書かれた赤っぽい橙っぽい色のお守り。
裏には「池水神社池水之鯉姫神」と書いてある。
「池水之鯉姫神」は池水神社に祀っている神様だろうか。
家に帰り、ご飯前に部屋で稲荷寿司を食べる。
あげが甘くてご飯によく合う。とっても美味しい。
初めて食べたはずなのに、なんだか懐かしいあったかい味。
寝る前にやることを済ませ、ベッドに寝転がる。
虫の声がよく聞こえる夏の夜。
今日あった出来事は夢ではない。現実だったと思う。
現に、稲荷寿司はとても美味しかった。
明日も遊びに行きたい。
久しぶりにすっごい長く描きました…。
あ″~つ″か″れ″た″~″。
約3300文字描きました…。初めてですこんな長く書いたのは。
と言うわけで短編(?)小説です!
好評だったら続き書く…と思います。
頑張ったのでいいねください(((((
それでは!