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自己紹介、入学式が終わり下校の時間になった。
皆んなは、友達作りをしている中、僕は誰かに話しかける勇気も無く、一人静かに荷物をまとめていた。
最後の筆記用具を片付けようとした時、急に近くで声がした。
「ねぇ、君!
西青中学校だったんだよね?!」
急に話しかけられた僕は、肩を震わせた。
その声のもとをたどると、そこには、見るからに”陽キャ”を感じさせる男がいた。
そして、僕は「まあ…」と真実を口にした。
すると、その男は目を輝かせながら「すげぇ〜」と言葉を落とした。
「でも何で西青中なのに、この高校に来たわけ?」
「あ~、えっと…」
僕は口を濁らせた。
すると、その男は察したように、
「あ~、ごめん。
答えにくいなら全然答え無くていいよ!」
と言った。
きっとこの男は、僕が成績や生活態度が悪すぎて退学にでもなったんだとでも思ったのだろう。
流石にその勘違いは、気を使わせるし、僕的にも嫌だったため僕は適当な嘘をついた。
「気を使わせてごめん。
この学校に来たのは、ただ家から近かったってだけだよ。」
と。
すると、その男は安心したかのように「あ!そうなんだ~」と納得した。
流石に1日目で、人間関係を壊すわけには、いかない。
「急にこっちから質問ばっかしてごめんね~。
あ、ちなみに俺の名前は木之下 脩太(きのした しゅうた)。
しゅうたの『脩』は、『束脩』の『脩』。
『太』は、『太い』の『太』。
よろしく!
で、君の名前は、五十嵐…」
「五十嵐奏叶。
『五十嵐』は、『五』と『十』と『嵐』。
『奏叶』は、『奏でる』に『叶える』。
こちらこそよろしく。」
「そうそう!
奏叶!
珍しい名前だな。
めっちゃいい名前!」
「ありがとう。
良く珍しいって言われる(笑)」
「お〜!
やっと笑った!
ずっとボッーとしてるから、笑わない人かと思ってた。」
「そんな事無いよ。
面白かったり、楽しかったりしたらちゃんと笑うから。」
「じゃあ、今まで面白くも楽しくも無かったって事?」
「いや、別にそう言う事じゃ無くて…」
「いや、そう言う事だろう!
奏叶、面白い奴だな!
勉強ばっかりして、大人の言う事をはいはい、言ってる”いい子”ちゃんかと思ってた(笑)。」
「僕への偏見多すぎでしょ!」
「ごめん!ごめん!
やっぱ、面白いな〜奏叶は!
からかいがいがある(笑)」
「あんまりからかわないでよ。」
「はいはーい。
覚えときまーす。
また明日な!」
「うん。また明日。」
修太が教室から出ていくのを見届ける。
また筆記用具に目を移し、片付けを再開する。
片付け終わるとスクールバックを肩に掛ける。
その時ふと教室の窓を見た。
其処には口角が少し上がった僕の姿があった。
久しぶりに笑わされたなと思った。
その後僕は廊下へ足を進め、教室を後にした。
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