この世界の設定。
ゴン(10歳、男)
性格は原作と余り変わらない。盲目であり、明暗はぼんやり分かる。深緑に近い黒色の膝まである綺麗な髪、金色の瞳。人の気配や建物の構造を理解することに長けており、運動神経はとてもいい。念能力を使っている人は暗闇の中うっすら白いオーラが見え、普段から凝に近いものを使っている。
↑ゴン
俺はゴン!
ここ…流星街で暮らしている。
目が見えない俺を受け入れてくれて、手伝ってくれる人達がいる。生まれてすぐ捨てられた盲目の俺を否定しなかったのは、この街だけだ。
子供「ゴンが不安にならないように、私達が手を繋いどいてあげる!」
子供「だって俺達、ゴンが大好きだから!」
ゴン「…!!うん!」
皆優しすぎるよ。こんな俺にも生きる意味を与えてくれたんだから。
…こんなに優しい人達がいる流星街には、最近子供を攫う悪い人が沢山来ている。それは『俺達は何者も拒まない、だから俺達からは何も奪うな。』という流星街に伝わるルールを完全に破っていて、俺と仲良くしてくれた子供達も攫われてしまった。
今の俺じゃなんも守れない。
俺が不甲斐ないからいけないんだ。もっと強くならないと、大切なものを守れない。俺は結局、何も救えなかったのだから。
盲目というハンデを言い訳にして、皆に守ってもらっていたからだ。俺はもう、ここに相応しくない。
…もう、友達が居なくなるのは見たくない!
ゴン「…じゃあね。」
大好きだった街、大好きだった皆。
そう思いながら、ゴンは流星街から離れた。
ゴンdis
離れたは良いものの、何処へ行こう。これからどう生きていけばいいんだろう。
俺は頭が良くないし、文字の読み書きも出来ない。
ゴン(人の気配が全くしない…暗いし。ここ何処だろう。)
俺は目が見えないけど、なんとなく建物がある所や人が居る所が分かる。実際それは当たっていて、気配を感じ取れるようになってからは物や人にぶつかることは無かった。
ゴン(…血の匂いがする、さっきの場所に戻ろう。)
何を捨てても許される場所、流星街。
血の匂いや人工物の匂いは嫌になるくらい知っている。ここはマフィアかなんかの殺人現場?早急に立ち去らなければ。
ゴン(…!人の気配だ。それも気配を消す達人の!!)
俺は出来るだけ足音を消しながら全速力で走った。
ゴン(人の気配が消えた…さっきの場所と離れた、気配も消していたから気づかれてないはず。)
良かった…早速危機に陥りたくは無いからね。…甘い香りがする。花の匂い?かな。
ゴン(公園とか?足が少し疲れちゃったし…気休め程度に行くか。)
そうしてゴンは花の香りを辿った。
ゴン「いい匂い、足音からしてお花畑かな…」
俺はゆっくり花が積もった地面に座り、息を整えた。
幻影旅団dis
クロロ「これで今日の任務は終わりだ。各自アジトに戻り、武器の整理や宝の確認をしろ。」
フェイタン「今回の奴ら弱かたね。」
フィンクス「まぁな、久々に体動かせると思ったんだがな。」
シズク「あっ、そういえば団長。」
クロロ「なんだ。」
シズク「さっき人の気配がしたんです。感じたのは一瞬だけで、すぐ気配は消えたんですけど。」
マチ「私も思った。相当洗練された気配の消し方だったよ」
クロロ「…もう今では追えないだろう。放っておけ」
ノブナガ「早く帰ろうぜ、宝の確認するんだろ。」
クロロ「…俺は少し散歩してから戻る。すぐに行くから、お前達は先に帰っていてくれ」
シャルナーク「えー、分かったよ。」
クロロ「悪いな。」
クロロdis
マチとシズクが見逃す程の気配の消し方…明らかに今回のマフィアよりも別格だろう。1度会ってみたい、どんな奴なのか。
クロロ(…?)
遠かったが、今気配を感じた。背丈が小さい…恐らく子供?何故こんな深夜に出歩いているのだろう。
何故か惹き付けられる。子供に興味は無いはずなんだが…仕方ない、追うか。
どうやらその子供は花畑の方に向かっている。後ろから見ているだけだから顔は見えない。
そしてその子供は花畑に着いたかと思えば
静かに座った、上を見ながらぼんやりしている。
クロロ(どうしてだろう。後ろ姿だけでこんなに惹かれてしまうのは。)
俺が少し近づくとその子供は、何かに気づいたように咄嗟にこちらに振り向いた。
「…誰かいるの?」
クロロ「…!」
驚いた…完璧に気配を消したつもりなんだが。
こんな綺麗な瞳は見た事がない。例えるとするなら金色の水晶玉…、華奢な体つきと長い髪は女性を連想させるが、声帯からして男だろう。
人間とは思えない儚さ。まるで人工物…人形のようだ。
クロロ(…欲しい…)
ゴン「えっと…あの、?居る…よね?」
余りの綺麗さに見惚れてしまった。
クロロ「…すまない、子供がこんな暗い中歩いていたから心配になったんだ。」
ゴン「…ごめんなさい、お兄さん!心配かけちゃって…けど、俺は大丈夫ですから!」
酷く純粋な笑顔で少年は俺に微笑んでくれた。
クロロ「…良ければ少し話をしないか?」
ゴン「ぇ、話?いいけど…」
少し警戒してそうな少年の横に座る。
クロロ「俺はクロロ。クロロ・ルシルフル。名前を聞いてもいいか?」
ゴン「俺はゴン。話って何?」
クロロ「特に話題は無いんだが、ゴン…お前と少し話してみたくなったんだ。」
ゴン「…へぇ、クロロさんって少し変わった人なんだね、俺と話したいなんて。」
クロロ「そうか?お前と話したいって奴は少なくなさそうだが。」
俺がただ1人の子供にここまで惹かれたんだ。すぐに他の奴らに盗られるだろう。
盗られる前に盗るというのは盗賊の極意だ。
ゴン「そうかな…ありがとう。」
クロロ「所でお前、家族は?」
ゴン「…家族、は…。」
すこし少年の瞳が濁ったように感じる。
クロロ「…答えたくなかったら答えなくていい。」
ゴン「うん、!ごめんね…」
家族に対して嫌な思い出がありそうだな、幼いのに。
クロロ「お前歳は?」
ゴン「多分、10か11歳…?」
自分の歳が分からない…成程な。
この少年…ゴンはきっと出会った者全てを魅了するだろう。それはマフィア、殺人鬼等でも例外では無いはずだ。
他に殺され、奪われるくらいなら俺達の中に生きる鑑賞物として閉じ込めておいた方が安全じゃないか?現に蜘蛛のメンバーもこいつを気に入るはずだ。
ゴン「…俺ね、目が見えないんだ。」
クロロ「…何故俺に話した、そんな重要なこと。」
ゴンの突拍子も無い話の変わり方に少し動揺してしまう。
けれど、目が見えないのなら尚更都合が良い。
だが、こいつは俺とさっき初めて話したんだ…警戒心が無さすぎる。
ゴン「ごめん、驚かせちゃったね。お兄さんとは初対面だけど、俺の事少しでも知って欲しくて…!変だよね!」
そう言い花のように微笑んでくる。
クロロ「俺だから良かったが…信用出来ない奴には話さない方がいい。」
盲目というのは人生の大きなハンデ…それを簡単に晒してしまえば、襲われてもおかしくない。
ゴンは少し目を見開くと、
ゴン「…クロロさんは優しいんだね!ありがとう!」
と言ってきた。
優しくなんかない…全ては俺達の為だ。
俺達はお前を絶対に手に入れる。例えそれが、お前の幸せじゃなかったとしても。
クロロ(…ゴンには不思議な力があるな…)
こんな短時間で人をここまで心酔させるなんて。
ゴン「…?クロロさん?」
クロロ「ゴン、俺達と一緒に来ないか?」
ゴン「…っえ?」
ゴン(俺達…?)
断られても無理には連れていかない。無理矢理になれば俺達を嫌うだろう、そうなっても逃がしはしないが。出来るだけ好感度は高い方がいい。
ゴン「気持ちは有り難いけど、俺じゃクロロさん達に迷惑をかける気がするから…ごめんね。」
クロロ「…そうか。お前はこれからどうするんだ?」
ゴン「う〜ん…行き当たりばったりで決める!時々クロロさんにも会いに行くよ!」
クロロ「それは嬉しいな。」
こいつは一般人からすれば無理な事を平然とやりそうだ。面白いな…
クロロ「俺はそろそろ戻る、お前も暗闇には気をつけろ。」
ゴン「うん!ありがとうクロロさん!」
今日の1番の収穫はゴンに出会えた事だな。
彼奴を手に入れられる道はある。
クロロの携帯に電話が掛かる。
シャルナーク「団長!遅くない?」
クロロ「…嗚呼、少し面白い物を見つけてな。」
シャルナーク「面白い物…?知らないけど早く帰ってきて、こっち手伝ってよ。」
クロロ「分かってる、今行く。」
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