夢から覚めて
起きて 歯を磨いて
顔を洗って
朝ご飯を食べて
ただ、そんな日常が欲しかった
生き地獄のような情景の路地裏も
揉まれてしまう都会の街も
全部全部、私にとっては贅沢だったの
あの日あなたが声をかけてくれた
そんな時は まるで天使にあったかのような
そんな気持ちだったの
だからいっぱいいっぱい
頑張った
あなたに気に入られたくて
ただひたすらに
だからわたし、怖いことだってあなたとなら
乗り越えて行けると思ってたよ
あの日、辛くて
自分の体に 終止符が打たれるのかって思ってたよ
でもね、その時のわたし
誰よりも 綺麗だったの
だからあなたに会いたかった
でもあなたは違ったみたい
嫌だった?気持ち悪かった?
その時、わたし あぁ本当にわたしは1人なんだなあ って
わたしがこんなだから ダメだったのかな
本当はありのままを見せたかった
こんなわたしを見て欲しくなかった
でも、わたしあなたに会えるならなんだってした
久しぶりにあなたと話せた時は
凄く嬉しかった
あなたの笑う顔、戸惑う顔、驚く顔、すべてわたしの宝物だった
でも、こんなのわたしじゃなかった
わたしが思い描いた、夢だった
こんなのに生まれてしまったわたしなんかの
醜くて、叶うはずもない夢
そんなでも あなたに愛されたかった
あなたが一緒に居てくれるのなら わたしは夢を見続けた
でも違かった
我儘なわたしの夢は 儚くも散ってしまう
いつも、そうだった
そんな思いをまたするのなら
あなたの方から早く覚めて欲しい
「そろそろ、夢から覚めないと駄目だよ」
虫の息のように、小さい声で呟いたの
でもね、あなたには気づいてもらいたかった
我儘でごめんね
あなたが覚めたくないというのなら
一緒に覚めよう
たとえ夢が覚めても、わたしたちは
永遠だから
「……ん」
長い長い夢から覚めた。
身体中が痛むことが、どれだけの悪夢だったのかを物語っている。
その悪夢は壮絶で、余りにも非現実的なもの。
けれど、所詮は夢。
私は特に気にせず、いつも通り朝の支度をした。
いつも通りな朝、いつも通りな道。
「つまんないなあ……」
それが、どれだけ貴重か。
いつも通りのバスに乗って
窓の渕側に頭を預け、外を眺めた。
「少しだけ、眠ろう……」
また今日のような夢を見ることないのを祈る。
ただ、それだけでいい。
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