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ある雨の日
俺は何時も道理学校へ向かっていた。
家から学校まで徒歩30分程
どれだけ歩いてもきりが無いと感じることも多々ある。
片手に透明な傘を持ちながらひたすらに歩く
何も考えることなく、歩く
歩いていると、段々足が痛くなってきて
片足を持ち上げ、ユラユラ揺らし
もう片方の足を持ち上げては、揺らす。
また、歩こうと前を見ようとした途端
俺の横を確かに横切った茶色い髪
其方に気を取られて見てみると
そこに居たのは同年代の茶髪の女子
俺「…」
茶髪の女子「………」
一瞬だけ、目が合った
色の薄い、奇麗な黒い目をしていた
スタ スタ スタ …
俺「……!」
慌てて目をそらした瞬間に
彼女は走り出し、行ってしまった
暫くの間、呆然と立ち尽くす
ふと、時間が気になり
濡れてしまわないように鞄からスマホを取り出す
電源をつけて、時間を確認する
俺「あっ!!!」
8:50
スマホにはそう並んだ数字
先程の女子が走り出した理由が解った気がした。
門が閉まるのは9:05
俺「あぁ………」
全力で走れば間に合うと判断し
走り出す
傘が風に当たって進みずらく
走っているせいでズボンが濡れていく
嫌な感覚だ
本当に間に合うのか不安になり
眉間に少し、しわが寄る。