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自室に戻った頼朝は勢いよくベッドに倒れ込んだ 。
あまりの出来事に放心状態になり、何も考えたくなかった 。
そんな状態のまま1時間経ち、扉にノックする音が聞こえた 。
ゆっくりとベッドから身体を起こし、扉の前まで歩いて行った 。
「 何の用? マスター ……. 」
扉を開けると、そこにいたのはマスターではなく、清盛だった 。
マスターだと思っていた頼朝は驚きのあまり口を開けたままだった 。
「 頼朝殿 …….
申し訳ありません 。 貴方への配慮が出来なくて ……. 」
「 ……. 別に 。 気にしてない 。 」
素っ気ない態度をとる 。
これ以上関わろうとせず、忘れようとしたというのに、わざわざ謝る為にここまで来たというのだ 。
「 マスター殿が心配していました 。 貴方はあの方にとても信頼されているのですね 。 」
頼朝は少しの罪悪感を抱いた 。
マスターを巻き添えにするつもりはなかったのに 。
「 あの、頼朝殿 ……. 」
「 なんだ ? 」
「 貴方は私からしたら先輩の英霊です 。
なので、貴方を敬い慕っても宜しいでしょうか ? 」
清盛は、ずいっと顔を近づけてお願いするような目をして言った 。
そんな顔をされては、断るにも断れない 。
「 分かった、分かった 。 てか近い 。
あと、殿は要らない 。 頼朝でいい 。 」
はぁ、とため息混じりにそう言う 。
そうすると、清盛はたちまち顔が明るくなって
「 ありがとうございます ! これからもよろしくお願いいたします ! 頼朝 ! 」
久方ぶりに名前を呼ばれ懐かしい気持ちでいっぱいになった 。
涙が出そうになったが 、 堪えて
「 ああ 、 よろしくな 清盛 。 」
と頷いた 。