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とけるチョコレートとわたし
私は、菜の花中学校に通う中学2年生!
ザワザワザワ
静かだった廊下が賑わいの花を咲かせているのは人気者のセンパイ!!
そんな先輩は私の好きな人なのに、
人気すぎて思いを伝えられていないの、
もうすぐバレンタイン!!今回こそ思いを伝える!
〜好きになった理由〜
私が恋した理由はいくつかあるけれど、そのひとつとして、
橋の下に捨てられていた子猫をお世話していた事だった。
その子猫はずいぶん弱っていたようで、
何度か先輩がお世話しに行っているところを見た。
つまり先輩の優しさに惹かれたというわけだ。
今日はバレンタイン当日…昨日夜遅くまで頑張って作ったチョコレート。
うまく渡せるかなあ、
やっぱり先輩の前には長蛇の列。
驚きもないくらい当たり前のことだった。
はあ…渡せないかな…
私の家は門限も短いので今日は帰らないとなんだ。
親友(桃花)に相談しようと思って、話かけてみた。
「ごめん。今日ははやく帰らないといけないの。」
ええ…
まあしょうがないよね、なんて思って学校を出た。
私は驚愕…
桃花と先輩が肩を並べて歩いていたんだ。
裏切られたようで辛くて…思わず公園に駆け込んだ。
はぁはぁ…
渡すつもりだったチョコレートを眺めていると目が潤う。
「…」
えっ!?
「先輩、?どうしたんですか…?」
ん。と言って先輩は私のチョコレートを指さした。
あっ、
1番見られたくなかった。心配されたくなかった。
「渡せなかったんです、チョコ」
「その人もしかしたら欲しかったのかもね…」
え。どういう意味…?
意味も分からずぼーっとしていると隣に座ってきた。
「俺はもらえなかったよ。好きな人から」
こんな人気者なのに貰えないって…私みたいに列に押されたのかな、
可哀想に… 、ひどく共感する。
私がチョコレートを差し出す。
今しかないって思ったんだもん。
風と共に空気が流れて。
「… それ俺の?」
こくりと頷く。
そんなこと言わせないでください。
渡せてよかった。
今の私の気持ちはそれだけだ。神様ほんとうにありがとう…
こんなに…
全部上手くいけばいいのに。