忘れもの

忘れもの

「あ、また会いましたね、！笑」

「どこであったか？やだなぁ笑」

「まぁいいですよ、どうせそのうち思い出すので笑」

そう意味のわからないことを言い残し、

さっさと去ってしまう黄色い髪の彼。

まるで俺と何回もあったことのあるかのような言いぶりに動揺する。

だって、俺は彼と初対面なんだから。

顔も知らなければ、名前も知らない。

そういえば、どこかに忘れものをした気がするんだ。

どこだっけ。

あ、そうだ。

俺は、とある場所へ向かった。

ｻﾞｧｧｻﾞｧｧｯ

綺麗な波の音が聞こえる。

もう日が沈みかけている頃だからかな。

辺りがとても静かでより音が聞こえるんだ。

あれ。

俺、なんでここに来たんだっけ。

あ、そうだ。

忘れものをしたんだ。ここに。

あの綺麗な海の中に入れば、きっと見つかるかな。

そう思い、俺は深い深い海に体を投げた。

ﾋﾟｰｯﾋﾟｰｯ

「…、早く見つけてください…、ｯ笑」