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――その後の夜――
香澄:ん〜。
ベッドから起き上がると、そこには寧々の部屋、ハムスター、制服などなど、寧々のものがそろっていた。
香澄:すごっ。ほんとにできるんだ。私は怪異だから、生者には見えないから、連絡くらいしようかな、スマホはどこかな。
寧々(香澄)は、寧々のスマホで、寧々の母に「しばらく、友達とお泊まり会だから、帰ってこないからよろしく」
と、連絡をした。
寧々(香澄):さて、今はひとまず学校に行くか。
――夜の学校――
寧々(香澄):うわー、旧校舎ってこんなに古いんだ〜。さてと、トイレにもついたし、いくか〜。
―― コンコンコン 花子さん、花子さん いらっしゃいますか? ――
花子くん:はーあーい
――ギィ(ドアが開く)
花子くん:ばぁ。(背後から)
ここは演技しないと。バレルちゃう。
寧々(香澄):わぁ。びびびびっくりたー。(演技)
花子くん:ははっ。こんな夜中にどうしたの。ヤシロ。もしかして、オレに会いたくて会いたくて仕方ないから来たの〜?
寧々(香澄):ふんっ。
花子くんを突き飛ばす。
花子くん:ごふっ。いたいな〜。夜くらい優しくしてよね〜。んで、なんのよう?
そうだ、あの窓から落ちてみようかな。
寧々(香澄):あの窓の下にポーチが引っかかっちゃって。取れないかなって。大事なポーチだから。
言い終える前に、窓を全開にして、窓のふちに寧々(香澄)は、うつ伏せになった。
―― ズルッ(窓のふちから落ちる) ――
寧々(香澄):!?
花子くん:えっ!?
花子くんは全速力で走ってきたが、間に合うかどうかギリギリだね。わくわくする。八尋寧々はこの世からもあの世からも完全にいなくなるのか、ならないのかどっちかな〜。まぁ、どっちにしろ、いなくなるのは、「八尋寧々」だけだし。少なくとも私は助かるし。
―― グッ(足が掴まれる) ――
間に合うんだね。
花子くん:よいしょ!
寧々(香澄):うわっ!
一気に上へ引き上げられて、びっくりする演技をした。
花子くん:大丈夫?ヤシロ。
不安そうに顔を覗き込む花子くんは、本当に心配そうな顔をしていた。
寧々(香澄):私は大丈夫。花子くん、ありがとう。ごめんね。
花子くん:でもね、オレ、君のこと知らないんだよね。
やばい。バレた?隠し通せるといいな〜。
寧々(香澄):えっ。何言ってるの、花子くん、私達毎日一緒にいるよね。
花子くん:いや、いつものヤシロなら、こんなに簡単には落ちないんだよね〜。改めて言わせてもらうけど、きみ誰?
本物のヤシロには何もしてないんだよね。
花子くんは、わたしへほうちょうを向けている。
寧々(香澄):はぁー(ため息)隠し通せると思ったのにな〜。
寧々(香澄):私は、神の4柱の4番目「春乃香澄」と名乗っている怪異。本物の八尋寧々は、人格もすべて失った状態で、
私の意志を復元して、それをそのまま乗っ取らせてる。魂は別世界にあるけど、私がこの世からいなくなる場合は、
わたしの代わりにこの世からもあの世からもいなくなっちゃうの。あぁ、あと「八尋寧々」の意志は二重人格的な感じで、
私の中にあるよ。
花子くんは、青ざめながら質問する。
花子くん:そんなの、ヤシロは望んでいない⋯と思いま――
花子くんがいいかけていることを気にせず、私は言った。
寧々(香澄):いいえ。これはあの子が望んだことなのよ。
花子くん:えっ。
花子くんは、すごく驚いた顔をしている。
寧々(香澄):あの子は、あなたが生きることを望んだ。その瞬間をあなたは知っているはずよ。あぁ、ねねおねーさん、だっけ?
花子くん: !
花子くんの顔はもう、絶望にとすら表せそうなそうな顔だった。
寧々(香澄):願いが大きすぎるから、代償を貰うことにしたの。その代償が、しばらく別世界で暮らしてもらうことだったって
こと。わかった?
花子くん: ⋯わかり⋯ました。
泣きそうになって言った「花子さん」の表情はもう怪異のようでもないし、生きてるようでもなかった。あ、もう生きてないか。
寧々(香澄):じゃあ、特別に今の時代で八尋寧々と同じ学年、学級にしてあげる。あ、記憶の方は安心してね。怪異の時の記憶も、怪異のとき、寧々との記憶と一緒にいた時の記憶もなくして、「寧々」と幼馴染でした、ってことにするし、寧々に関わった人達全員の記憶を変えるから。じゃあ、明日の朝にはそういう事になってるから。私は「寧々」の人格になってあげるから、
お別れの言葉でもなんでもしときなよ、じゃあ。
そう言って、香澄は、寧々の人格へと切り替えた。
花子くん:お別れの言葉⋯か。もう、会えないんだな⋯
寧々:花子くん?どうしたの。
顔を覗き込む寧々は、いつもの寧々だった。
3話終わり
中途半端なところで終わってしまい、すみません。また会いましょう★さようなら。