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えぇ ~、まって複雑すぎて好き🥲💘 こういうのがいちばん刺さる...💕
「〜〜〜🎶」
少し肌寒い空気の中、鼻歌を歌いながら帰り道を歩く。
鞄の中でかさりと音をたてるいふくんへのプレゼント。
いふくんのメンバーカラーである色、青色のダイヤを中心に付けたネックレス。
、誕生日プレゼントに宝石は少し高価な物かもしれないけど、喜んでもらえたらいいなんて。
いふくんの誕生日まで後、1週間。
ただ、渡すだけじゃつまらない。もっと、何かサプライズとかしたいな。
うーん、と頭を悩ませていると僕の頭に何かが落ちた。
「冷たッ!?」
頭にひんやりとした感覚が広がり体が跳ねる。
驚きながらも上を見上げる。どんよりとした分厚い雲が空を覆っている。
どうやら、自分の頭に落ちたのは雨粒だった様だ。
「傘、あるかな、」
曇っている空をぼんやりと見つめる。
次の瞬間、雨が凄い勢いで降り始めてくる。先程までとは違い強い雨が体に打ち付けられる。
「やばっ!?傘!傘!!」
鞄をあさり、何とか折り畳み傘を見つけ即座にさす。
雨の湿った匂いと、地面にぶつかり跳ねる雨粒を感じる。足を進める度に水の音が聞こえる。、プレゼント濡れない様にしなきゃ、。一応、濡れないか心配だし早く帰ろう。
早足で帰り道を急いでいると、横目に公園が見えた。
ふと、気になって公園を覗き込むと見覚えのある姿が見えた。
「あれ?ないちゃんといふくん?」
公園の中にある屋根があるベンチ付近でないちゃんが座り、いふくんが立っている姿があった。2人とも雨に濡れたのか服がびしょびしょだ。その姿を見る限り、どうやら傘は持っていない様だ。僕の傘で3人は、、まぁ、いけるよね?
「おーい!ないちゃんー!!いふくんー!!」
僕は手を振り叫びながら2人に駆け寄ろうとした、
その時だった。
いふくんが少し腰を下げ、ないちゃんにキスをした。
「え、?」
何で?何で、いふくんとないちゃんがキスしてるの?
目の前で起こっている事が信じられず、目を見開く。
「ちょっと、まろ!!ここ外ッ!!//」
「いいやん別に。誰も見てないって笑」
ないちゃんはいふくんに怒りながらもまんざらでもない顔をしていて、いふくんはそんなないちゃんを見つめて優しく微笑んでいる。僕がッ、見た事ない顔。
「あ、れッ?」
気がつくと僕は泣いていて、大粒の涙が目から溢れ出していた。
何で、泣く必要なんてないのに。だって、いふくんはないちゃんとッ、!
僕は涙が再度出そうになるのを堪え、ないちゃんといふくんを横目に無我夢中で走った。
********
「、はぁッ、はぁッ、っ、」
これで大分、先程の公園から離れられたかな、。
息を整えながら、先程の出来事を思い出す。
『自惚れ』
頭の中に浮かぶ1つの言葉。今の僕にはお似合いの言葉。
だって、いふくんともしかしたら結ばれるかも、何て淡い思いを抱いていたのだから。
本当になんて惨めなんだろう。
僕だけのいふくんなんてものは存在していなかった。
いふくんは僕がもう手を出せない誰かのもので。
その誰かはいふくんのものでッ、。
「う“あああああああ!!」
傘を投げ捨て、頭を抱えしゃがみ込み大声で泣き叫ぶ。
雨が服を顔を鞄を、濡れまいと大事にしていたいふくんへのプレゼントを濡らしいく。
僕は、いふくんの
気遣いが出来るのが好き。
困ってる時に助けてくれるのが好き。
猫が好きって言ってるのが好き。
僕になんだかんだ甘いのが好き。
すらっとした横顔、笑った顔が好き。
、僕を「ほとけ」って呼ぶ優しい声が好きッ、。
頭の中にいふくんを思い出すだけど胸が苦しくて痛い。いふくんとの2人だけの思い出が頭の中で回想されていく。
僕は自分勝手だ。馬鹿だ。惨めだ。、こんな僕には最初から勝ち目なんてある筈がなかったんだ。
「ぅッあ”、っいふくん“ッ!!いふくんッ!!」
僕はもう叶うはずもない恋をした好きな人の名前を叫び、泣き続けた。
僕が泣き叫ぶ声が周りに響き渡る中、その声を掻き消す様に雨の降る音が先程よりいっそう大きくなった様な気がした。