コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
思い出。
─そして、放課後。
「…えぇっと、彼奴って、名前なんて言うの?」
『彼奴?あぁ、なんだっけな…』
『─桐谷 湊って…』
彼奴の声だ。
行かなきゃ、そう思いクラスメイトに白杖取ってくれる?なんて言って声の聞こえる方へ歩く。
「…さっきぶり」
『…名前、言ってなかった。
─俺、くじょう、しき。』
どうやって、書くんだろう、くじょうしき…
どんな形をしてる?どういう意味を持つ?
知りたくて、だからつい聞いてしまった。
「…どうやって、書く?どんな、形してる?」
俺も馬鹿だと思う。こんな目が見えない奴に聞かれたって、困るだろうなぁ…
『え、えーと、この後、空いてるか?』
この後は特に用事はない。家に帰って、飯食って、風呂入って、勉強して寝る。それだけ。
「空いてるよ」
『教える、どうやって書くか』
…どうやって?
そう考えてると手にいきなり感触。
「ちょ、っ気持ち悪っ!?いきなり手握んな!」
なんだ此奴!!いきなり手握ってきやがって!思ってたけど、最初から敬語なんてなくて、距離感どうなってんだよ!?いや俺もそうか!敬語ねぇわ!
『固まってたからどうすればいいのかわからなくて…』
つい手をはらってしまった。その拍子に壁か何かに当たったらしい。すごく痛い。なんなんだ
短くてすみません。