「はぁっ…はぁ…」
「!!」
私は妹紅の息切れが聞こえ、戸を開けた
「妹紅!!」
「慧音…ごめんなぁ、せっかくのお出かけ…」
「…いや、こちらこそ妹紅を助けられなくてごめ…」
彼女は私の言葉を遮るように胸へ倒れ込み
「ぁあ…」
「疲れたよな…、よし」
私は布団に妹紅を寝かせ、玉子粥を作った。
「妹紅、お腹すいたか?」
「…うん…」
私は妹紅の上体を起こし、
温かい粥を掬った蓮華を口元へ運んだ。
「…美味しいか?」
「おいしい…」
そう言葉を零した途端、妹紅は泣き出した。
「うぐっ…うわぁぁぁんぁぁ…」
「ど、どうしたんだ?!」
彼女は私へ抱きついた。
「けい、っねぇ…慧音ぇ…」
「大丈夫だ、大丈夫だぞ」
「どごにもっ、うぐっ、いがないでぇ」
妹紅は余程寂しかったのだろう、
こんなに子供のように泣きじゃくるのは初めて見た…。
「…すぅ…すぅ…」
「…あれ、寝ちゃったか」
妹紅は暫く泣いたあと、静かに寝始めた。
私も欠伸をしたあと、眠りについた。
翌日、新聞が届いた。
「…文々。新聞か」
そこに大きく記していたタイトルは
『愛の戦争と激熱交際!竹林のラブラブカップル!!』
慧音は頭を悩まし、私は新聞を睨んだ
「…殺す。」
「あまり嗅ぎ回りは好きじゃないのだが…」
慧音は私の手を握った
「…ねぇ」
「なんだい、慧音」
「…豪気、使えるの?」
「えっ」
突然の問にびっくりしてしまった。
「…知ってるの?」
「あぁ、勿論」
慧音は真っ直ぐ、私の目を見た。
「…というか、何で私に聞いたんだ?」
「妹紅の豪気が、私の精神に啼き声を零したんだ。」
「それって、何処でだ?」
「永遠亭よ、私が薬に侵されてた…あのとき」
妹紅は「あぁ…」と素っ気ない返事をした。
「そこでだ、妹紅」
「?」
「出来たら…豪気を見せてくれないか?」
「あぁ、いいぞ…でもなんで?」
慧音は「ちょっと待ってて」
と三本の巻物を持ってきた。
「…?これは…」
「豪気の書だ」
妹紅は書を手に取り、読み始めた
(第一、豪気を操る者は力が増幅す。)
(第二、豪気を操る者は操り時、
ほぼ死なぬ。)
(第三、豪気を操る者は少数である。)
(第四、豪気を操る者よ、
是非この書に手を添えよ。)
そこには手形があった。
「…置いてみるか」
私は、添えた。
「?!」
すると書が一瞬にして真っ黒になった
「…妹紅」
「こりゃ、意味あんのか…?」
次にその書には金色の墨で文字が綴られていった。
「?!」
『貴様 の 豪気 『漆黒と深紅の気』』
『数値・・・ 計測不能』
『この世で1人だけが花開く気 試して扱え』
「…この世で1人だけ?」
「な…なに?!妹紅がまさか、あの…」
慧音は焦りながら二本目の巻物を解いた。
その巻物の最後には、黒く塗りつぶされ、
周りには赤く囲まれた
『文字らしきもの』があった。
「妹紅、この黒い部分読める?!」
「…うん」
『クロ キ ト ア カキ ゴウキ ヲ モツ モノヨ』
『ソノ キハ エイエン ニ ウバワ レ ルコト ハナク』
『ソノキ デ マケル コトモ ホボナイ』
『ジョウケン ガ ア ル 』
『 キサマ は マケ ルナ ア イ ヲ』
『マゲ ル ナ』
さっきの異様な雰囲気とは違い、
優しい文になった。
「…こりゃ面白い」
「す、凄い!この書は気を持つ者でも跳ね返される時もあるのに…」
妹紅は手をじっくり見た。気が増えた気もした。
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