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リクエスト👻🔪×🐙🌟

死パロ、バッドエンド入ります

ご本人様には一切関係ありません。

フル捏造です。本編伏せ字なし。

後編

『🐙🌟』「それ以外」



『小柳くん?起きてますか~?』

手放しかけていた意識に呑気な声が水を差した。なけなしの体力で瞼を持ち上げると、触手を纏った彼がいる。この触手のプルンとした質感といい、形状といい、どこかグロテスクな淫靡さがある。それを操る彼の女性的で淑やかな顔つきも相まって、まるで女神のようだと小柳は思った。

「お前、綺麗だな」

「へっ…?!」

さっきまで女神みたいだったくせに、今度は可憐な少女のような反応を見せる。愛おしさが増して、触れたくなって、小柳は星導の腕を引き寄せると、勢いのまま抱き締めた。

「思い出してくんねぇかな…」

そう呟く。首筋に流れる汗が鼻腔を擽り、纏わりつく手足、自分より小さな背中が星導は心の底から愛おしかった。けれどもその匂いに、手触りに、少しの懐かしさも感じられない自分が恨めしくて堪らない。

彼に必要なのは俺じゃない、彼の記憶の中の俺だ。

『救助要請してありますから、大人しく寝ていて下さいね』

「うん…」


「ウェン…ほしるべが…消えちゃった……」

そう連絡があったのは、午後の4時過ぎのことだった。

「消えた?消えたってなに?!」

小柳が言うには救助隊が来た頃には星導の姿が見えず、町中探し回ったが行方が分からないのだと。

「直ぐ向かうから!隅から隅まで探そ!」

「うん……っ」

小柳の声は震えていた。赤城もだ。2人とも星導の行方をどこかで察していたのかもしれない。


崖の下、星導は発見された。大量に血を流し横たわる彼に、もう息がないのは目にも明らかだ。

「あ……ぁ……」

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!ごめんほしるべぇ…!ごめんなさい!ごめんな”さ”い”!」

小柳は地べたに蹲って謝罪の意を述べ続けた。


数分遅れて赤城も現場に到着する。

「ロウくん!見つけたの?!」

「…」


崖の縁、あと一歩後ろに出れば落下するというところに、小柳は佇んでいた。

「ロウくん?!」

小柳の瞳には、一切の精神性が感じられない。

「(だめ…だめだめだめだめ……!)」

あと数センチ、手を伸ばせば届くというところで、小柳はくるりと赤城に背を向け、そのまま落下していった。

バンッ!!

小柳の肉体が地面に叩きつけられた音がした。

小柳は自分の命、尊厳、仲間、他の何もかもをかなぐり捨てて星導を選んだのだ。

「幸せなの?そんなのが、わかんないよ………」

星導の体に覆い被さった小柳は、哀愁に満ちた微笑みを浮かべて息絶えていた。寂れた町の外れ、梅の古木の下に横たわる二体の肉塊の麗しさと言ったら、正に人ならざる美しさだった。

「そんな綺麗な笑顔、僕に見せてくれたこと無いくせに」

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