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※tiktokの内容と、pixivで公開したセンシティブをつなげて投稿しました 前半をすでにお読みいただいた方は少し飛ばしてお読みください
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きらびやかな天井、ギラギラとした瞳、突き刺すような女性たちの視線
初めての世界に居心地悪く席につく私の横で、旧友は楽しそうにお目当ての人をさっそく呼びつける
中学時代の友人から結婚式に招待された帰り道、久しぶりに会うその子に声をかけられた
学生時代から派手だったが、所謂陰キャラと呼ばれる部類の私も分け隔てないギャルだった彼女には、密かに憧れていた
今は都内某所でキャバクラ嬢をしているという彼女は、確かにそういった華やかなオーラで式場でも一際目立っていた
そんな彼女に誘われるがまま、三次会としてこの場所に足を踏み入れたのだが、どう考えても場違いである
今日は天気が悪いから人が少ない、と彼女は言って、まばらに埋まった席から跳ぶ羨望と嫉妬の眼差しをなんでもないように受け止めた
彼女の指名ホストさんとご挨拶をして、私の横には代わる代わる何人かの男性がついてくれた
『この子はおとなしいけれど芯が強くて、夜の店にも偏見がなくて・・・』
なんて、毎回自慢気に紹介してくれる彼女に、嬉しさと申し訳無さが募る
偏見がないのは、学生時代明るく話しかけてくれた彼女だからで
正直、ホストをしている男性には全力で偏見があるし、できればプライベートでは関わりたくない
上機嫌でお酒を飲み干す彼女は、すっかりご指名男性と二人の世界
居心地の悪さを感じながら、冷房の効きすぎた店内で肩を震わせると
ふわり、と大きなジャケットが私を包んだ
「楽しんでる?」
「あ・・・ありがとうございます あの、先程預け入れた荷物にカーディガンがあって・・・」
「いいじゃん、これ着てな」
「ええと・・・・はい・・・」
珍しいね、般若 なんて彼女が話しかける
般若さんというこの方は、元ナンバー1で、今は殆ど経営側に回っているらしい
今日は人数いないからな、なんて言いながらさり気なく私に回された手をそっと振り落とすと
般若さんは目を見開いてこちらを覗き込んだ
「・・・ふーん、おヒメ、名前は?」
「・・・・△△です」
「名字じゃなくて、名前」
私が言うより早く、彼女が『◯◯だよ』なんて答える
それから決まり文句のように私の紹介をすると、何やら電話があったようで席を外した
そのタイミングで彼女の指名ホストも他の女性の元へ向かい、大きなボックス席に私は般若さんと2人で残された
「連れてこられたんだ?」
「・・・はい、あの・・・何か飲まれますか?」
「大丈夫?キミ、昼職でしょ?」
「ええと、たまに遊ぶくらいの貯金はありますので・・・」
「ふーん・・・」
じっと品定めをするような目線が心地悪い
ふと般若さんの横顔を見上げると、少し耳が赤いように感じた
「・・・・あの、失礼なのですが・・・・体調悪いですか?それとも、お酒、苦手ですか・・・?」
他の男性に聞こえないよう、小さな声で聞くと 般若さんはまた目を見開いた
「・・・・・なに、心配してくれんの?」
「すみません、医療職なんです 近くに薬局ってありますか?」
心做しか、先程より潤んで見える般若さんの瞳にお節介と心配が加速して、そっと手を伸ばし首元から熱を測る
微熱くらいかな・・・なんて独りごちていると、おもむろに立ち上がった般若さんに手を引かれて有無を言わさず外に連れ出された
「・・・あのっ・・・ごめんなさい、私失礼を・・・?」
お店の外に出ると、先程電話のために席を外した彼女と目があった
まだ電話中なのだろうが、私の手を引く般若さんを見てにっこり笑うと、口パクで『またね』なんて手を降った
たすけて、と喉元までで出かかったが、病人かもしれない般若さんを置いていくわけにもいかない
無言で手を引く般若さんの圧に押されて、気づけば人通りの少ない路地裏に押し付けられた
「っ・・・・あの・・・・風邪なら、悪化しますから中に・・・」
先ほどより天候は落ち着いたが、まだ小雨がしとしと降り注ぐ
先ほど借りたジャケットの存在を思い出して般若さんの肩にかけ直そうとするが、手首を捕まえられて身動きがとれない
じっと見つめる瞳は驚くほど美しくて、夜の世界には似つかわしくない真っ直ぐな視線に身震いする
ゆっくりと額を合わせた般若さんの体温は、先程よりも熱い
「あの・・・般若さん・・・?」
「・・・◯◯、あいらしかね・・・・」
艶っぽい声でそうつぶやいた般若さんと私の影が重なる
再び合った目は、鷹のように鋭くて、私はもう逃れないことを本能で察した
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『この子はおとなしいけれど芯が強くて、夜の店にも偏見がなくて・・・』
直々に目をかけて育てた後輩ホストのエースが、珍しく友人を連れてきた
天候の悪さと急病のホストが重なって、自分自身の体調不良は後回しに店内へ向かった俺に
昼職だから線はうすそうだが、1度だけでも・・・と可愛い後輩に頼まれたから、任せろと席へ向かった
結婚式の帰りだと言う彼女たち
いつもより落ちついているが、夜の匂いが抜けないエースに対して、彼女は実におしとやかな装いだった
とりあえずジャケットをかけて、そっと肩に手を伸ばす
うぶを装う客、男性に慣れない客も、自分がさり気ないボディタッチを重ねればたちまち虜になる
はずだった
さり気なく落とされた、行き場の無い手
思わず彼女を見つめると、確かに芯の強そうな瞳だ
(おもしれーじゃん)
心のなかでつぶやいて、作戦を練る
最初は飲ませず、徐々に・・・・なんて
考えていた瞬間、彼女は俺の体調不良を指摘して、興味の無さから一点
途端に心配そうな顔で俺を見た
どう考えても色恋とは程遠い瞳と、久しぶりに受けた人からの心配で
腹の奥になんとも言えない気持ち悪さがこみ上げる
今までどれほどの女性と遊んだのか数え切れない
純情ぶった女性だって、俺の手にかかればあっという間に落ちていく
それなのに彼女は、ほんの数分でそうはいかないことを悟るほど、独特の空気を身にまとっていた
(・・・こん子がほしか・・・)
そう思ったら最後、体中が熱を駆け巡る
無理やり席を立たせ、人通りの少ない路地裏に連れ込んだ
どう考えても窮地なのに、それでも彼女は俺の体調を心配した
その姿が引き金となって、このどす黒い感情を全力で彼女にぶつける
「◯◯・・・・もう逃さんよ・・・」
しばらく身を捩って抵抗していたが、次第に大人しく、俺に身を預ける
「・・・・そげん目で、見らんで」
女性から向けられたことのない、同情と心配と、少しの憎悪が混じった瞳
絶対に閉じ込めると心に誓って、俺はまた唇を押し付けた
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ドチュドチュと、卑猥な音と振動に意識が戻る
店から般若さんに連れ去られた私は、あのまま彼の家になだれ込んだ
何度達しても、許してと泣きわめいても、人生で初めての罵倒を投げかけても、彼は一向に止まってくれなかった
一度意識を手放しても、同じ
滲む視界の先で、彼の端正な顔立ちが歪む
何度も囁かれる愛に、どんどん心が揺れてしまう
逃げたい、逃げられない
背後から激しく突かれて、私たちは獣のように喘ぎ続けた
「あ゛あ゛っ…う゛…」
「あ゛ーくそっ、◯◯っ…◯◯っ…愛らしか…」
「や゛だっ!助けて…っ あ゛あ゛あ゛っ」
「◯◯っ…愛しとうばい…離したくなかっ…このままっ…ぐっ…♡」
「あ゛っ…♡」
彼の熱が奥に届いて、意識が途切れる瞬間
彼の大きな腕が私を抱きしめて、じんわりと身体が一つになるような感覚を覚えた
✱✱✱✱✱✱✱✱
「ん…」
「…◯◯…起きたか…?」
この家に彼女を引き込んだあと、俺は今までにない快楽に溺れて、彼女を抱き続けた
彼女と殆ど同時に意識を飛ばしたのは、元々の体調不良のせいか、それとも相性が良すぎたのか
彼女はのそのそと起き上がり、ゆっくりと視線を俺に移す
「…はんにゃ、さん」
「‥なんね」
行為中、彼女は俺に拒絶の言葉も投げかけた
今まで人にそんな想いを抱いたことがなかったのだろう、罵倒とは程遠い、悲しい言葉
人生で女性に拒絶される日が来るなんて思いもよらなかった
自嘲して次の言葉を待つと、彼女はかすれた声で
「体調は…悪化していませんか」と問う
「…」
「…はんにゃ、さん?」
「…俺が…昨日何したか覚えとう?」
「…それは、そう…ですね」
「お人好しすぎ」
ため息をついて抱きしめると、彼女はびくりと身体を震わせる
今日はもう何もしない、約束すると落ちつかせて、そのままベッドに倒れ込む
戸惑いと心配で揺れる瞳にキスを落とすと、彼女は諦めたように俺を撫でた