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第1章
🍵すち視点
朝の空気は思ったより冷たかった。
玄関で靴を履きながら思う。
「みこちゃん今日来てるかな。」って
教室に入ると、らんらんがいつもの調子で
🌸「おはよー!!」
と言ってきた。
🌸「今日寒いね」
🍵「おはよ」
らんらんの声は明るく落ち着く。
決して無理して明るい声を出している訳
じゃ無い。
ただ俺達は皆、いつもの形を崩さない事を
大切にしている。
教室の廊下側。前から3番目の席に目をやる。
そこには誰も座っては居なかった。
🍵「今日も休みか…」
そう呟いた声にこさめちゃんがピクッと反応
した。
🦈「大丈夫だよ、みこちゃん、ちゃんと帰って来るから」
それ根拠は無い言葉じゃ無かった。
こさめちゃんは誰よりもみこちゃんの事を
分かっている。 ….心配するほど、
🦈「昨日電気着いてたし、洗濯物も干してた」
いるまちゃんが言った。
📢「生きてるって分かるなら良いんじゃね」
なっちゃんがちょっと笑ったけどこさめちゃんの 冗談には誰も触れなかったし責めなかった。
🦈「既読つかなくてもLINE送るし、」
こさめちゃんが静かに言った。
🌸「うん居場所を無くさないの大事だよ」
らんらんの声は暖かく、優しかった。
👑みこと視点
起きて、カーテンを開けたら朝だった。
ちゃんと今日も朝だった。
誰も責めない。誰も押しつけて来ない。
…..それが逆に苦痛だった。
みんな俺の事信じて、待っててくれてる。
分かってる。ちゃんと分かってる。
毎日LINEも届いてる。全部読んでる。
でも既読をつける勇気が無い
学校が怖い訳でも無い。
友達が嫌いな訳でも無い。
むしろみんなが大切で、大切で、大切で
….だから行けない。
教室の引き戸を開けた瞬間
笑顔で迎えてくれるのが目に浮かぶ。
誰も怒らなくて
誰も責めなくて
みんな「良かった。」って、いつも通り
「おはよ。」って言ってくれるんだろうなって分かる…分かるのに、
…….そんな”優しさ”に
今の俺は、立ち向かう自信無い。
何が壊れたのか、自分でもよく分からない。
でも、自分の中で何かがゆっくりと沈んで行くのが分かる。
だけどちゃんと伝えたい事がある。
俺は戻りたいって、会いたいって
本気で思ってる。
-ただそれが今じゃないだけで。