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日帝side
「大日本帝国様!この戦も敗戦致しました……」
くそ……
「最終奥義だ。相手の戦闘機に突っ込め」
「突っ込む……?どのようにですか?」
「戦闘機に乗って突っ込め」
「?!」
「しかし……その手段は……」
「我々が敗戦し屈辱的な思いをするよりかはマシだ」
「しかし……あまりにも」
「わかっている」
「私もこんな手を使いたくない。しかし、このままでは負けてしまう……」
「私の言うことを聞いてくれ……」
「……分かりました」
「失礼致します」
戦争に綺麗事なんていらない……勝てばいいんだ。
勝てば正義。負けたら悪者。
そうですよね?父上……
それから少し日が経ったある日、新聞を読んでいた私は自分の目を疑った
「先輩が自殺……?」
想い人の先輩……ナチス・ドイツの敗戦と自殺の報告だった……
ねえ、嘘だよね……?
いつの日か先輩に貰った手紙に書かれていたこと、私は信じてますよ……
「もう負けを認めたらどうだ?日帝」
「五月蝿い……五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!!!」
「お前達はどうせ英雄ヅラをするんだろ?!」
「違う……これ以上犠牲者を出したくないんだ」
「私は、まだできる!」
「はぁ……」
「話し合いで解決したかったけど仕方ないよね……」
「……?!」
「じゃあね」
「さようなら」
目の前が真っ白に弾けた
雲一つない快晴。辺りを優しく照らす太陽。美しく散りゆく桜の花。
気付けば私は知らない所にいた。とても心地よく、夢のような心地だった
「日帝」
「……先輩、?」
「ああ」
「ほんとに、?先輩ですか?」
「俺だ。ナチスだ。」
「……ぁぁぁあああっ、!」
「会いたかった……!」
あまりにも嬉しくて。気が付けば視界が歪んでいた。
「ああ、泣かないでくれ」
「君には笑って欲しいんだ。君には笑顔がよく似合う」
「ごめんなさい、嬉しくて……」
まずい、涙が止まらない……
「俺もとても嬉しい。そして君に謝りたかったんだ。ずっと」
「謝らないでください……あなたは何も……何も悪くない」
「いや、悪いが謝らせてもらう
ずっと傍に居れなかったこと、君に寂しい思いをさせたこと……それから君にずっと幸せにすると誓えなかったこと……
本当にすまない」
「やめて……そんな事言わないで……
今までどれほど貴方に助けられたか……」
「助けて貰ったのは俺の方だ。」
先輩の申し訳なさそうな表情に胸が痛む。
「だけど今、こうして平和な場所で再び出会えたから言わせて欲しい」
「もうこれ以上、君を泣かせない」
ああ、もう……そんな事言われたら泣いちゃうに決まってるじゃないか……
「俺と一緒に幸せになろう」
「はい、喜んで」
ああ…やっと
やっと当たり前だけど、尊い当たり前の日々を
過ごすことが出来る
end