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あの夏が飽和する 曲パロ ニグうた
うたいさん…🐏 ニグさん🐶
🐏「昨日人を殺したんだ…」
🐶「…え」
🐏さんは、そう言っていた。
6月…ちょうど梅雨時、🐏さんはずぶ濡れのまんま部屋の前で泣いていた。
夏がようやく始まったばかりだと言うのに、🐏さんは酷く震えていた。
そんな話で始まる、あの夏の日の記憶だ__
俺は🐏さんを部屋に入れて、話を聞いた。
🐏「殺したのは…近所に住んでる」
「いつもいじめてくるあいつ。」
「もう嫌になって、肩を突き飛ばして」
「打ちどころが、悪かったんだ…」
🐶「…そんな」
🐏「もうここにはいられないだろうし、僕はどっか遠いところで死んでくるよ。」
どこか苦しそうな…そんな🐏さんに俺は言った。
🐶「それじゃ、俺も連れてって。」
🐶「…よし。」
財布を持って、ナイフを持って。
携帯ゲームもカバンに詰めて…
🐶「これ、は」
おどみんのみんなで集まって撮った写真。
おどみんに入ってからつけ始めた日記。
…でも、俺は
🐶「”いらないもの”は全部…壊していこう」
あの写真も、あの日記も
今となっちゃもういらないや…
🐏「…🐶さん、」
人殺しと、
🐶「🐏、さん!」
ダメ人間の…
🐏さんと俺の、旅だ__
そして俺らは逃げ出した。
この狭い狭いこの世界から。
🐏「…あ」
🐶「🐺さん…、🐟さん」
🐏さんは俺の手をぎゅっと握ってきた。
その手は…震えていた
🐺「🐶しゃん、🐏しゃん、どこに行くのだ…?」
🐺さんも、
🐟「…🐶さん、🐏さん?」
🐟さんも他のみんなもなにもかも
🐶「…ごめんッ」
🐶🐏「さようなら…!」
🐺「ちょ、2人とも待つのだ!!」
🐟「………」
全部捨てて、🐏さんと2人で。
🐶「ねぇ、🐏さん。」
「遠い遠い誰もいない場所で、」
「”2人で”死のうよ__」
🐏「…うん」
そういった君は罪悪感しかないような顔をしていて。
🐶「🐏、さん…」
もうこの世界に価値などないよ。
人殺しなんてそこらじゅう湧いてるじゃんか。
🐶「🐏さんは何も悪くないよ…」
そう、🐏さんは何も悪くないよ。
そう言って俺は🐏さんの手を握った。
🐏「うん……うん…」
🐏さんの手は、まだかすかに震えていた。
🐏さんと旅に出て1週間ほどだった。
そこで出した結論がこれだ。
🐶「結局俺ら、誰にも愛されたことなどなかったんだ。」
🐏「…そう、かもね。」
そんな嫌な共通点で、俺らはここまで簡単に信じあってきた。
🐏さんの手を握った時、かすかな震えも既になくなっていて。
誰にも縛られないで2人、線路の上を歩いた。
🙎♂️「あ、ちょっとそこの2人!!」
「財布とったろ!!返せ!!!」
🐶「返すもんか!!」
🐏「べ、べーっ…だ」
🙎♂️「おいこらまて!!!」
🐶「やばい…逃げるよ!!!」
金を盗んで、2人で逃げて
今ならどこにでも行ける気がしたんだ。
隣を見れば🐏さんがいて。
🐏「ふふ、はははっ!」
今更怖いものは俺らにはなかったんだ、
🐶「あっつ…久しぶりに走って汗かいた…」
🐏「ふふっ、そうだね。」
🐶「…ははは、なんか小さい頃に戻ったみたい」
🐏「あ、メガネ落ちてるよ、」
🐶「…あれ?ほんとだ」
額の汗も、落ちたメガネも
いまとなっちゃどうでもいいさ!
あぶれ者の小さな逃避行の旅だ__
🐶「…あーあ」
俺は少し、昔のことを思い出していた。
幼🐶「おれ、主人公みたいにかっこいい人になる!!」
って、言ってたっけ。
いつか夢見た優しくて、誰にも好かれる主人公なら…
…そんな人が、いるのなら
🐏「はは、まともにお風呂にも入れなくて」
「僕たち、泥だらけだね」
🐶「ははっ…そうだね」
「ヒーローでも、いたらなぁ。」
汚くなった俺たちでも見捨てずに
ちゃんと”救ってくれる”のかな?
🐏「そんな夢なら、とっくの昔に捨てたよ。」
🐶「…え」
🐏「だって、現実を見てよ。」
「”シアワセ”の4文字なんてなかった…」
「…今までの人生で思い知ったじゃないか」
🐶「そう、だね。」
「🐏さんをいじめた奴らみたいな」
「悪い人らがいっぱいいるせいでね。」
🐏「…自分は何も悪くないって」
「誰もがきっと、思ってる__」
遠くでセミの泣く声が聞こえる。
行くあてもなく彷徨うセミの群れの音。
🐏「う…あ、🐶さぁ…っ」
🐶「🐏…さん、?」
俺たちは持っていた水も底を尽き
水分不足で視界が揺れ出して
🙎♂️「…い!でてこい!!」
🐶「やば、見つかる…っ」
🐏「はははっ…はははは…」
🐶「ふふ…っ」
体力も無いなか、
心の中では馬鹿みたいにはしゃいで笑いあって
…ふと🐏さんはナイフを取った。
🐏「僕、🐶さんがいたからここまで来れたんだ。」
🐶「…うん、?」
🐏「僕…🐶さんのこと大好きだよ。愛してる」
🐶「…!!そんなの俺だって!」
🐏「…だからもういいよ。もういいんだよ」
「死ぬのは僕、一人でいいよ__」
🐶「…え、あ、?」
…そして🐏さんは首を切った。
まるで、なにかの映画のワンシーンだ
🐶「…🐏、さん?うそ…だよね、?」
白昼夢を見ている気がした。
🙎♂️「おい!見つけたぞ!!」
🐶「う、ぁ…」
気づけば俺は捕まって。
🙎♂️「おい、なんでこんなことをした?」
🐶「🐏さんは…?」
「🐏は、どこだよ!?」
🙎♂️「あぁ?🐏??」
「誰だかしらねぇけどよぉ」
「なんでこんなことしたのかってきーてんだ!」
🐶「そんな、そんなの」
🐏さんがどこにも見つからなくって
君だけが、どこにもいなくって。
🐶「もう、9月も終わりか。」
そして時は過ぎていった。
ただ暑い暑い日が過ぎてった。
あの日。あの後家に帰されて…
🐺「🐶しゃん!🐺心配したのだ!!」
🐟「…🐏さんは、?」
🐺さんも、ほかのおどみんのみんなも居るのに
何故か🐏さんだけはどこにもいない__
🐶「もう、いなくなって1年も経つなんて」
「早い、なぁ…」
あの夏の日を思い出す。
僕は今も、今でも歌ってる__
🐏さんをずっと探しているんだ。
君に言いたいことがあるんだ…
🐶「…クシュンッ」
「くしゃみ、か」
9月の終わりにくしゃみして
6月の匂いを繰り返す
🐏「🐶さんっ!!」
🐏「🐶、さぁ…ッ」
🐏「…えへへ、🐶さんっ!」
…君の笑顔は、君の無邪気さは。
頭の中を”飽和”している。
きっと、誰も何も悪くないよ。
🐏さんは何も悪くは無いから
🐶「🐏さん、もう投げ出してしまおう。」
「そういって、欲しかったのだろう?なぁ…」
「🐏さん…俺まだ、”愛してる”って、言ってないよ…ッ」