俺は、人を信じることができない。
友達になったって、どうせ 皆
離れていくことを知っているから—……
3年前_
wki|元貴〜、一緒に遊ぼうぜ!
Mtk|俺はいい。
若井 滉斗(わかい ひろと)
2007 (当時13)
こいつは、愛想の良くない 俺に
よく喋りかけてくれた奴だった
話が絶えず、ちょっとした時間があるだけで、
いつも1人でいる 俺に
よく「元貴」と呼びかけてくれた
優しい彼奴に、
鬱陶しいと思ってしまった日があった。
Mtk|お前っ、うざいんだよ……。
Wki|え?
Mtk|いつも話しかけてくるけど、
Mtk|俺、お前の事嫌いなんだよね……
Mtk|話しかけないでほしいし、本当は
“お前だって、俺の事嫌いなんだろ。”
俺にも かつて、親友がいた。
Mob|元貴〜!遊ぼうぜ!
Mtk|あぁ、ちょっと待ってよ!
大好きだった
信頼していた
沢山遊んで、一緒に悪い事して、
相談し合って…
なのに、なのに……
Mtk|俺先帰るね、ばいばーい。
Mob|じゃあな元貴ー!!
Mob2|またね!
Mob3|ばいばーいーー!
Mtk|あっ、やばい…宿題忘れた…
忘れ物に気づいて、
学校へ 取りに戻った日の事だった。
聞いてしまったんだ—……
“お前、ずっと彼奴といるけど楽しいの?”
“元貴?あー、全然楽しくねーよ笑”
“元貴君って、いつも何考えてるか分かんない”
“笑笑 だよな。”
“お前もそう思うだろ?”
“うん笑 なんかきもいし。”
Mtk|えっ、?
嘘だっ…笑 親友なんだもん…笑
“俺、彼奴大っ嫌い。”
その瞬間、
俺の中で何かが崩れた音がした。
ずっと信じていたのに、
親友だと思っていたのに、
そうじゃなかったんだね。
信じてた俺が、
馬鹿だったよ
Mtk|お前だって、俺の事嫌いなんだろ。
Wki|はっ、それどういうッ…
Mtk|もう話しかけんな。
Wki|……
Wki|友達だと思ってたの、
Wki|俺だけだったんだな〜ッ、…笑
Mtk|はっ、?
Wki|ごめん笑
Mtk|はっ、まっ、若ッ…
Wki|もう話しかけないから、安心して。
Wki|じゃあな〜、…笑
違う、違う違う
本当は鬱陶しいなんて思ってなかった、
嬉しかったんだよ
嬉しかったのに…
恐れている自分がいた
そのせい 素直になれなくて、
自分から話してしまった。
Mtk|…ごめんなさい。
俺は、
誰もいない 夕日が差す 静かな教室で
静かにそう呟いた。
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😿