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私は、せいまさんと一緒に元いた場所に戻った。
「感謝して欲しいね。ぼくがペアじゃなかったらきっと君は今も恐怖の中にいた。」
言い方はあれだけど、確かにこのゲームを数分で終わらせてくれたのは感謝している。
「うん、ありがとう」
せいまさんは満足そうな顔を見せた。
何も無い部屋に2人、沈黙が流れる。何か話さなきゃ。と思っていると、上から声が聞こえた。
『随分早いクリアだな』
「あぁ、恐怖に囚われた人間を長時間見るのは好きじゃない」
にこにこと笑いながら話すせいまさん。
私はじっとせいまさんを見ることしか出来なかった。
「ほかの人たちはまだゲーム中かい?」
『そうだ。まだ、全員混乱していて何も起こっていない』
「ふーん…」
またまた沈黙が流れる。
せいまさんは何かを考え込むように黙ってしまったし、上から聞こえるダレカの声もしなくなった。
「ぁ…あの!!」
私は不自然に大きい声を出してしまった私を、せいまさんは舐めるように見る。
「せいまさんは…えっと…」
何か質問したかったのに、顔を見た瞬間吹っ飛んでしまった。
「うーん、その、『せいまさん』というのを辞めることはできるかい?」
「え」
「できるだけ上下関係は作りたくないんだ」
「そっか、じゃあ、」
せいま?せいまくん?
どっちでも不自然で、かと言ってあだ名を付けるのも嫌。
「せいま」
「うん」
せいまさんは語尾におんぷが着きそうな声色で言った。
「ほかの人たちが来るまで、少し話してもいいかい?」
「うん、もちろん」
私たちは真っ白な床に座り、話し始めた。
「Aチームの金髪達は知り合いらしいね。君の知ってる人は居ないのかい?」
「うん、ほんとに1人。だから金髪たちがちょっと羨ましいとか思ったり。」
「金髪たち」が面白かったのか、せいまはくすけす笑った。
「Cのとうやと、はやとも知り合いかもね、チーム発表される前から近くにいて話していた」
「そうなんだ…」
「Bの…るいとすずね?も、クラスメイトみたいな雰囲気だったよ」
なるほど、私とせいまだけが1人、ここに連れてこられたのか
「ここに連れてこられる人の条件みたいなのってあるのかな。」
「うーん、君は僕を知らないだろう?」
「そうだね」
「だから関係のある2人組を連れてきている訳では無いのか」
「みんな高校生とか?」
「いや、Cのふたりは高校生の感じはしない」
「そっか…」
せいまが言うと、確かに20歳くらいに思えてきたかも。だからあんなに大人びて見えたのか。1人で納得はしたが、謎は更に深まっている。
「君のこと、もっと詳しく教えて貰えないかい?」
「うん、」
──────
3時間、いや、4時間は経った頃、何も無い空間から扉が現れた。
「ぁ、え、えっと、さゆなちゃん…? 」
「るいちゃん、おかえり」
「さゆなちゃん達はいつ終わったの?かなり落ち着いてるように見えるんだけど…」
「ねぇ、聞いて。驚かないでね。私たち5分も経たないうちに終わったんだよ」
「えぇ!!」
The女子高生。みたいな喋り方で話す。
「せいまが早く終わらせたんだよ。『恐怖に囚われた人間を長時間見るのは好きじゃない』とか言って」
「へぇ、せいまさんってそんな感じなんだ」
すずねちゃんが話す。落ち着く声で、その場の空気を一気に変えてしまった。
「どういう意味かは探らないでおくけど、僕たちの次にクリアするのが君たちだとは思わなかったよ」
「そっちこそ、どういう意味なの?」
ふふ、と音が着くように笑うすずねちゃん。
「4時間くらいかかっちゃったけど、そのうちの3時間半くらいはるいが躊躇ってただけだから。」
すずねちゃんが、私、やる時はやれるから。みたいな顔でこちらを見てくる。
「そうだね、時間かかっちゃってごめんね」
「きにしないで」
二人を見ていると、5分弱で終わらせた自分たちがいかに異常かわかる。
「二人で何話してたの?すずも混ぜてよ」
「どんな条件でここに人が集められてるかを…」
何か2人で難しそうな話を始めたので、ルイちゃんと私は少し離れたところでおしゃべりをした。
──────