体育の時間『さむーい!!!空気冷たい!!!温めてイザナ!!!』
「うるさい、黙れ、くっつくな」
『貴方も色々と冷たいわね!!!!』
不貞腐れながら寒さを紛らわすようにジャージの襟を口まで持ってくる。
こんなくそ寒い時期に外で体育なんて、と何度口にしたか分からない言葉を白い息とともに吐く。
ちらりと横へ視線を移すと、ジャージ姿のイザナも白い息を吐いて、ぼんやりと遠くを見つめていた。
「かっこいいなぁ」なんて無意識に思ってしまい、赤くなる顔と恥ずかしさを紛らわすように急いで彼から顔を背ける。
「なぁ、オレと○○苗字一緒だからなんか彼ジャージ着てるみたいじゃね?」
『は???』
突然、たまたま聞こえてきた話に私の体は雷雷にでも打たれたようにぴたりと固まった
声のした方向へすばやく目を向けると、クラスでお調子者の男子が気色悪い笑みを浮かべながらニヤニヤと私の様子を伺っていた、
彼ジャージ??私とアイツが?ふざけんな絶対臭いよアイツのジャージ、着たくねぇよ。
脳内で淡々と悪態を付きながら会話の主である男子を精一杯睨みつける。
「…おい脱げ」
『はい?』
その瞬間、今までずっと何も言わず突っ立っていたイザナだったが、スイッチが入ったみたいに突然意味の分からないことを要求してきた。
『いやぁ…人前で裸になる趣味は持ち合わせてないんだ、なんかごめんね。』
返答に困りながらもそう答えると眉間に深い皺を寄せたイザナに無言で頭を軽く殴られた。
「ちげぇよバカ、ジャージだよジャージ。それ脱げ。」
はやく、と急かすように言葉を紡がれる。
理解が追い付かないながらも、先ほどのあの会話のせいでジャージを着るのになんとなく嫌気が差したため特に抵抗することもなく素直にジャージを脱ぐ。
予めジャージの下に来ていたTシャツからはみ出た腕や首がスースーする。
凍てついた空気が肌を撫で、あまりの気温の変化に体が震える。
『…ねぇ、寒い。』
「これ着とけ。」
少しだけ私よりも大きいジャージがやや乱暴気味に投げられる。
ジャージについている名札に視線を移すと私の苗字ではなく「黒川」という文字が目に入った。
『あれ、これイザナのじゃん。』
「…虫よけとして持っとけ
あ、あとこれ後で燃やすから別れの言葉でも言えば?」
『ジャージに喋りかけるなんて傍から見たら変人じゃん。』
冷静にツッコミながら、少し体温の上がった体で彼のジャージを抱きしめる。
『まぁ…ありがと。』
そう感謝を述べた後ふと彼に視線を移すと、白い綺麗な髪から覗く彼の耳が私と同じように赤く染まっている事に気が付いた。
『…いや待って今燃やすって言った?』
ギャグ系書きたかったんです。
書けませんでした、えへへ。
久しぶりに「純粋な恋物語(もどき)」書きました、やっぱりムズイね
内容がないです。
いつもの事です、あはは