ぎゃぁあああああっっっっ!!!!!
とある館から聴こえる断末魔
今宵も誰か喰われたのだろう館に住む美食家に
今日は僕は写真部の活動でとある館を撮っていた。「まあ!とても綺麗な写真ねっ!」と先生に言われたがあまり好きではなく咄嗟に 「あ、ありがとう…ございます」と答えてしまった
時計をふと見て、「あっ、バイト…」
僕はとあるバーの手伝いをしているが本当は校則に違反しているけど自分のためでもあり、家族のためでもあった。僕の家は他の人より少し貧乏だったからバイトをして稼いでいたが、中学でそれがバレてしまったがマスターがかばってくれたから続けている
「……今日も会える」
僕はマスターが好きだ。肩に少しだけかかる髪と綺麗な目、赤い唇に惹かれた。こんな妖艶な人は今までみたことが無いレベルだった
「今日もよろしくね来くん」
「は、はいっ…!」
今日もバイトの仕事をする。客は常連しか来ないから楽だと思っていた。
1ヵ月後くらいに新しい客が入ってきたがマスターが買い物でいなくて僕だけだった。相手はかなり酔っているみたいだ。
「お前〜飲めよぉ〜?」
客がカクテルを渡してきた。
そのカクテルを飲んでしまった
僕は意識が失いかけた時にドアが開く音がした
その後に声が聞こえてきた
「いけませんねぇ、お客様」
マスターの声だった。
そこから記憶がなくなった
「………!マスター」
「おはよう。よく寝れた?昨日はごめんね私がいなくて」
「いえ!仕方ないんです!」
「でも、君は私にカクテルを作りたいと言っていたね」
「?僕そんなこと言ったんですか?」
マスターは笑って頷いた
僕は恥ずかしかった
カカオのリキュールに生クリームをのせ、最後にチェリーをのせたカクテル[エンジェルキッス]とライトラム、ホワイトキュラソー、レモンジュースを混ぜ合わせたカクテル[XYZ]
これをマスターに渡す
「…匂いも芳しいね。いいと思うよ。……美味しいね合格だよ」
「!ありがとうございます!」
僕は嬉しかった。マスターに褒められたのが一番嬉しかった
「…度が無いものをつくってみたんだけど、飲んでくれるかな?」
「!飲みます!」
「あれ?…う〜ん」
「目が覚めた?俺の姿見られちゃったぁ」
「…えっ?マスター?」
「そうだよ、マスターだけど本当の名前はクリルカ・ステラ。人を喰べるんだ」
「…!?僕のこと喰べたいんですか?」
「……あぁ、とても喰べたいんだ」
「……僕、マスターが好きなんです。なので…僕のこと喰べてくれませんか?」
「…っ!お前は死ぬんだぞ?!怖くないのか!?」
「マスターが喰べてくれるのが僕の本望です!!」
僕は脱いで喰べてくれるのを待っていた
「最期に一杯作ってくれないか?」
ブランデーをベースに林檎から作られるブランデーのカルヴァドス、スイートベルモットをミックスしレモンの皮で香りをつける[コープスリバイバー]
「これは君を喰べてから飲もうかな」
骨を砕く音と臓器を掻くような音が聞こえる
「ま、マスター、寒いよ…マスター」
「ごめんねぇ」
意識が無くなる前にキスしてくれた
嬉しかった
でも、僕は知ってるよ。喰べてる時に泣いてるのを
最後に作ったカクテルの意味わかってくれたかなマスター
マスターと一緒になれるならこれで良かった
あぁ、また喰べてしまったこの子は喰べないようにしてたのに…カクテルを見て俺は気づいた
あの子は俺をどれだけ愛してたか
俺は喰べた後も生き続けた。
何年も何百年も人を喰べなかった
次第にカニバリズムから人間になってきた
俺は新しく道を歩む。彼と一緒に
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