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大瀬の病み期間のお話
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きっかけは些細なことだった。
僕はいつも通り、部屋に引き篭る。
こんな人間が生きていていい訳が無い。
僕は、何故こんなところにいるのか。
縄やナイフ、薬などの準備はもう出来ている。
一思いに死んでしまおうと思った 。
するといつもの声が聞こえる
???「大瀬さーん?」
その声とともに、ドアが開く
依央利「あ、もう大瀬さんまた自殺しようとしてる〜!」
大瀬「…いおくん、」
依央利「大瀬さんも懲りないね〜?」
依央利「それより!」
いおくんは僕の前まで歩み寄る
依央利「今日はご飯食べる〜?」
今はそんな気分ではない。
大瀬「今日もご飯いらない、」
依央利「えー今日もー?!」
いおくんの声が響く
依央利「そんなこと言ってー、」
大瀬「…、」
依央利「もー、あとで持ってくるからね」
いおくんが僕の部屋から出ていく
あまり干渉してこないことに、いおくんの優しさを感じた。
何故だろう。こんなに優しい人達に囲まれているのに、自分の生きる理由が見当たらない。
テラ「あれ、お化けくんは?」
依央利「大瀬さん今日もご飯いらないってさー」
理解「え?!??!?!?」
慧「うるせぇ理解」
理解「今日も食べないんですか大瀬さんっ、!」
テラ「まぁそういう時もあるよね〜」
天彦「あまり干渉するのも良くないですしね…」
ふみや「まぁあいつはそういう奴だからな」
天彦「それにしても全く食べない、というのは心配になりますね…」
依央利「僕、後で持っていきますよ」
理解「お願いしますね」
はぁ。
死にたい。
何をしても周りに迷惑がかかる。
そんな自分が心底嫌いだ。
依央利「大瀬さん入るよ〜」
いおくんがまた部屋に入ってくる
依央利「食べる気になったー?」
僕は首を横に振る
依央利「そっかー、」
依央利「今日こそは少しだけでもいいから食べてね!」
いおくんがご飯を置いてくれる
とても美味しそうだ。
だけど、食べる気にはなれない。
依央利「じゃあ、また後でくるからね〜」
いおくんが出ていく
本当に僕に構ってくれるいおくんには感謝しかない。
だけど、それ以上に申し訳なさが勝ってしまう。
しばらく部屋の端っこで蹲ってから
ひと口だけでも食べよう。
そう思った
いおくんが作ってくれたシチューに口をつける
冷めてしまってはいるが、美味しい。
そう思ったのと同時に、猛烈な吐き気が僕を襲った
急いでトイレに向かうが、間に合わなかった。
僕が吐いた嘔吐物は、しばらく何も食べていなかったせいか、ほとんどが胃液だった。
あぁ。やってしまった。
異変に気がついたみんなは、リビングから僕に駆け寄ってくる
依央利「大瀬さん?!」
理解「大瀬さんっ、!?」
テラ「は?!お化けくん!?」
慧「は、おま、」
天彦「大瀬さん、!」
みんながそれぞれリアクションしている中、1人僕に黙って近づいてきた
ふみや「大瀬。大丈夫?」
大瀬「っ、大丈夫、です、。」
ふみや「はは、そんな顔して大丈夫なわけ無いよな」
ふみや「天彦。大瀬トイレまで運ぶの手伝って」
天彦「はい」
ふみや「ほら大瀬。まだ全部吐けてないだろ」
天彦「ひとりで吐けそうですか?」
僕は静かに首を横に振る
ふみや「だよな。」
ふみやさんが僕の腹を一発殴る
天彦「ふみやさん?!」
その衝撃で僕は意識が飛びそうになった
ふみや「はは、頑張れ大瀬」
ふみやさんと天彦さんが優しく背中をさすってくれる
殴られた衝撃と背中をさすってくれたおかげで僕は全て吐くことができた。
こんなに手をかけてしまった2人や、ほかの4人にも申し訳なくなった。
天彦「大瀬さん大丈夫ですかっ、?」
大瀬「ごめっ、なさ…」
ふみや「なんでお前が謝るんだよ」
大瀬「めいわく、かけっ、」
ふみや「迷惑だとか誰も思ってない」
天彦「そうですよ。たまには頼ってください」
どうして、どうしてこの人たちはこんな人間に優しくしてくれるのだろうか。
依央利「大瀬さんはっ!?」
ふみや「今ベットまで運んで寝てる」
理解「はぁ、良かった…」
慧「ったく、焦らせやがって」
テラ「まぁ良かったよね」
目が覚めた。
今は何時だろうか。
時計を見ると夜の1時前だった
少し体を動かすと、僕の左側に熱を帯びていることが分かった。
そこにはいおくんがいる。
少しずつ昨日の出来事を思い出す。
つきっきりで寝ている僕を見ていてくれたのだろうか。
みんなの優しさに、泣きそうになる。
もう死んでしまおう。
依央利「ん〜、大瀬さん、起きたんだ、?」
大瀬「いおくん、 」
依央利「まさかとは思うけど」
依央利「死のうとかしてないよね」
図星だった
大瀬「…、。」
依央利「はぁぁ」
依央利「大瀬さんさぁ」
依央利「僕たちが大瀬さんのことどれだけ思ってるか、知らないでしょう」
みんなは僕にはもったいないほど優しくしてくれている。それは痛いほどわかっている。
それが、僕には痛すぎたのだ
依央利「改めて言わせて貰うけどね」
依央利「大瀬さんがいなかったら僕たちの同居生活、成り立ってないからね」
依央利「まぁ大瀬さんに限った話じゃないけど、僕含めて7人はこの同居生活に誰も欠けちゃいけないと思ってる。」
依央利「大瀬さんはさ、自分のこと責めすぎだと思うんだよね」
依央利「たまには僕たちのこと頼ってくれないと。」
ふみやさんや天彦さんにも同じようなことを言われたな…、
依央利「とりあえず今は寝ときなね〜」
依央利「おやすみ大瀬さん 」
いいのだろうか。こんなに優しい言葉をかけてもらっても。
とりあえず、寝る気にはなれなかったからリビングへ行くことにした。
リビングに行くと、テラさんがいた。
テラ「あ!お化けくん起きたんだ〜!おはよ!」
大瀬「おはよう、 ございます…」
テラさんがこの時間に起きているのは珍しい。
テラ「お化けくんちょっとこっちおいで」
大人しくついていく。
テラさんがキッチンへ向かい、何かを作っている
テラ「どーぞ!テラくんお手製、蜂蜜入りホットレモンティー♡」
テラ「蜂蜜って喉とかお肌にいいんだよ〜」
テラ「どうせ目ぇ覚めてから何も飲んでないんでしょ〜?喉枯れちゃうよ」
大瀬「あ、ありがとう…ございます、」
レモンティーはほどよく暖かくてテラさんの暖かさを感じた。
テラ「お化けくんはさー、」
テラ「もうちょっと自分のこと、大切にしてあげなね。」
テラ「そんじゃ、テラくんはお肌のためにもう寝るね〜おやすみ!」
大瀬「おやすみ、なさい」
テラさんも、僕に優しい言葉をかけてくれる。
それが、今はただただ嬉しかった
レモンティーを飲みきったあと、時計を見ると朝の3時になろうとしていた
もうそんなに時間が経ったのか…
寝る気にはまだなれず、どうしようかと考えていると、誰かが階段をおりる音が聞こえてきた。
慧「うぉっっっ!!!?!?」
大瀬「あっ、」
慧「びっっっくりさせんなよ!」
大瀬「すみません、」
驚かせてしまったようだ。
慧「目ぇ覚めたのか」
慧「別に心配なんかしてねぇけどな」
この言葉が、猿川さんなりの心配なんだと分かった。
しばらく無言が続く
ところで、猿川さんは何をしにきたのだろうか。
ちゃっかりと僕の前に座っている猿川さんに尋ねた
大瀬「猿川さんは、何しにおりて来たんですか、?」
慧「あ?なんで」
大瀬「何か…することがあるのかと」
反応的に違ったらしい。
慧「別にわざわざお前が心配で大瀬を家中探し回ったとかそんなんじゃねーし」
どうやら僕を探し回ったらしい。
それは悪い事をしたな、
慧「だけどこれだけはお前に伝えておく」
慧「無理だけはすんな」
大瀬「っ、」
慧「別に俺がそう思ってるわけじゃねーけどな」
慧「俺はもう寝る。おやすみ」
ドスドスと階段を昇っていく猿川さんを見送ってから僕はもう一度座った。
僕の存在について考える。
何故こんなところに僕はいるのか、その答えが今なら少し、わかるような気がした。
テラさんが作ってくれたレモンティーのコップを洗い、少し睡魔が襲ってきたので、もう寝ようかと思うと時間が目に入った
もう5時半前だった。
5時半になると理解さんが起きてくるだろう。
それまで待つか、と思い再び座った
座ったとほぼ同時に目覚まし時計のなる音がした
いつもの理解さんの声は聞こえず、不思議に思っていると、静かに階段をおりる音が聞こえてきた
理解「大瀬さんっ!」
理解「おはようございます。体調はどうですか、?」
理解さんは、少し困ったような表情をした
大瀬「は、はい、お陰様で…」
理解「それは…本当に良かった、」
理解「大瀬さん、無理はしていませんか?」
理解「無理は本当に良くないです…」
理解「健康のためにも規則正しい生活を送りましょう、」
その通りだと思う
大瀬「はい、迷惑をおかけしてすみません、」
理解「迷惑だなんてそんなっっっ!」
理解「私はただ、大瀬さんには元気でして欲しいだけですっ!」
理解さんの気持ちが伝わって嬉しかった
理解「さぁ、私は皆さんを起こしに行ってまいります!」
理解「大瀬さんも御一緒にどうですか!?」
大瀬「遠慮しておきます、」
理解「それではまた別の機会に!」
理解さんがみんなを起こしに行った
みんなが僕を思って優しい言葉をかけてくれる。こんなことがあってもいいのか。そんな問いが僕の頭をよぎった
あぁ。このみんなだったらどんな僕でも受け止めてくれる。
そんなことを改めて実感した。
安心したせいか、再び強い睡魔が僕を襲う
テラ「テラくんまだ眠い〜」
依央利「あ〜体バキバキ、」
慧「俺は起きねぇって言ってんだろ!!!」
理解「もうみなさんだらしないっ!」
天彦「はっ、みなさん、しーっ」
ふみや「?」
依央利「あっ、大瀬さんが…」
理解「本当ですね、」
テラ「疲れてんだよ」
大瀬「……」
慧「はこれ死んでねぇよな」
依央利「もう猿ちゃん不謹慎!」
理解「それにしてもぐっすりですね」
天彦「セクシーです。部屋に持って帰ろうかな」
テラ「やめろ変態」
慧「おいいつの間にかこっちもぐっすりだぜ」
ふみや「……」
依央利「ほんとだ〜」
テラ「もうみんなで二度寝しよー、」
理解「そんな事、この理解お兄さんが許しません!」
依央利「はいはい解散」
テラ「かいさーん」
慧「解散解散」
天彦「ですね」
理解「PPPPPP!!!」
めでたしめでたし。