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お見舞いに行かなくなってから1ヶ月が経過したほどだった。流石に逃げ続けるのも良くないとやっとの思いで病室に入った。すると、蒼の友達、赤城昴と楽しそうに話していた。
「ぁ…ッ」思わず声が出てしまった。昴は友達と覚えているようで…事故が起きる前の話もしていた。病室に入る。
「ぇっと…前の人。」
そう言われるのは辛かった。
「ねぇ、昴君の事は覚えてるの?他に忘れてる事はない?」と蒼…と昴に聞いた。
「あぁ、碧斗か。どうやら、お前の事以外は覚えているようなんだ。医者が言うには、記憶が無くなったと言うよりは欠けたと言う方が正しいらしいな。」
昴が答えた。でもそれは…そんなのは…
「ぇ…そうなんだ」
平然を装ったけどこんなのあんまりだ。
あんなに蒼が好きだったのに。
その思い出が消えてしまったなんて。
彼の頭の中に俺が居ないなんて…
そんなの!!「やだよ!!」
「そうだよな…どうしてなのか調べてるらしいけどこんな事は珍しいらしい。」
どうやら声に出ていたらしい。
蒼も困惑の表情を思い浮かべている。
「思い出巡りでもしてみるか??
なんかあったら俺も着いてくし…」
「…うん、そうしよ」
そして、初めて会った公園。告白してくれた遊園地。…色々周った。でも、どれも思い出してくれてはいない。
「また、…」
「おう…又思い出巡りとか。色々してみるのもいいと思うよ」
「そうする、…」
昴は俺の気持ちを少しでも和らげようとしているのだろう。でも、そんなの関係ない。俺はどうしようもなく
「 蒼 が 好 き だ か ら 」
だからこそ、傷つくし…辛い。逃げたくなる。
こんな俺でも蒼は愛してくれた。そんな蒼が大好きだったんだ。
ねぇ、困るかもしれないけどさぁ、